世界でも中古・買取定番品、日本のオーディオTechnics(テクニクス)とは|オーディオ買取はエコストアレコードオーディオ買取センターへ!|世界基準の高価買取

オーディオ買取についてのコラム | 世界でも中古・買取定番品、日本のオーディオTechnics(テクニクス)とは

オーディオ買取についてのコラム | 世界でも中古・買取定番品、日本のオーディオTechnics(テクニクス)とは

世界でも中古・買取定番品、日本のオーディオTechnics(テクニクス)とは

2023/05/16

 

Technics(テクニクス) SL-1200、それはDJ用ターンテーブルとして広まり、過去のモデルの中古・買取は勿論、現行機であるMk7もよくレコードに触れる皆様であれば一度は目にした事のある、国産レコードプレーヤーを代表する機種ではないでしょうか。

Technics自体はかつて一度はその幕を閉じたものの、2014年の復活から現代でも魅力的なオーディオ製品を多数生み出している、現在ではPanasonic、古くは松下電器産業のオーディオ向けのブランド名です。長い歴史を持つ、日本を代表する国産オーディオメーカー、一体どんなブランドなのか?ご紹介します。

 

ターンテーブルだけじゃない、Technicsの歴史

 

 

今でこそ主にレコードプレーヤーで知られるTechnicsですが、ブランドの誕生となったのは1965年にNationalブランドのTechnicsシリーズ、という位置づけで発売されたスピーカー、Technics1とTechnics2の発売になります。つまり最初はブランド名ではなく、シリーズ名として付けられたのがTechnicsという名前になります。「技術に裏付けられた特性のよい商品で、感動を与える」という思いの元オーディオ開発が進められており、その中で「技術」という意味に基づく「Technics」が採用されました。


誰よりも先んじた研究を通して理論を確立し、技術に裏打ちされたTechnics1は当時としては小型機ながら大型機に匹敵するような低音再生能力を発揮し、評論家に賞賛されて大ヒット、Technicsの名が広まることとなります。

 

そうしてスピーカーが出来たら今度はそれを鳴らすためのアンプをと、1966年にコントロールアンプであるTechnics 10AとパワーアンプのTechnics 20Aを発売。実はこのアンプは当時あまり売るつもりはなく、Technicsの技術アピールとしての面があったそうですが、大出力で低歪な特性が賞賛され、製品化に踏み切るような形となったそうです。
そしてTechnics 30A、Technics 50Aとその後もデザインを洗練させながら次々とアンプ製品を発売していきます。

 

レコードプレイヤーの分野で世に知られる事になったのは1970年、Technicsをして、そして世界初のダイレクトドライブ方式として発売されたターンテーブル、SP-10の登場からになります。

前回の記事、『精密故に中古買取でも高額品 レコードプレーヤーについて』でも回転方式に触れましたが、SP-10が開発された当時はまだベルトドライブとアイドラードライブが主流で、それぞれターンテーブルの回転に対し高速回転するモーターが振動を発し、回転速度にもムラが生じるという問題がありました。そんな中発表されたSP-10はそういったデメリットをダイレクトドライブの手法で解消するべく、多極超低速ブラシレスDCモーターを独自に開発し、回転におけるデータ的な優位性に加え、立ち上がりの速さや低消費電力などあらゆる面で優位性を発揮するターンテーブルとなりました。当時としては非常に高価な物となりましたが、世界中の放送局で採用されることとなり、Technicsの名は世界中で知れ渡るようになりました。

 

アンプ、ターンテーブルの分野で大きな成功を遂げたTechnicsですが、1975年またもや世界初のリニアフェーズスピーカー、Technics7(SB-7000)を製品化します。複数の異なるユニットによって幅広い帯域を再生するマルチウェイスピーカーは、それぞれ発した波形に位相(フェーズ)の差が生じていたのですが、“位相の差は人間の耳ではわからない”というのが当時の常識でした。しかし、当時まだ黎明期であったコンピューターによるシミュレーションを駆使し、ブリュエル・ケアー社の位相測定装置の発売もあり理論上・測定上共に位相を合わせることに成功した商品として、合計10万台に上るヒット商品となりました。加えて、構成のスピーカーへ多大な影響を与えた商品でもあります。

 

その後1979年、非常にコンパクトなレコードプレーヤーSL-10と、現在のSL-1200のデザインの原点となるSL-1200 MK2が発売されます。

SL-10はレコードジャケットと同程度サイズの非常にコンパクトな筐体に加え、スプリングで針圧をかけるモーター式リニアトラッキングアームの採用により、現代でも珍しい縦置きが出来るダイレクトドライブのレコードプレーヤーです。

そしてSL-1200 Mk2は、1972年に発売されたSL-1200初代が70年代に登場したDJ達によって使用され始め、そこから当時北米にいたTechnicsの担当者が彼らから要望をヒアリングして改良された、まさにDJ用ターンテーブルの元祖ともいえるモデルです。また、この2機は1975年に発売したSP-10 Mk2に世界で初めて搭載された水晶発振器による回転速度制御、クォーツロックを採用しており、回転の安定にさらなる磨きがかけられた製品でした。

 

その後も発展を遂げ、SL-1200もMk6まで続く超ロングセラーとなりますが、2010年にハイファイオーディオ市場の縮小等によりTechnicsブランドは世界中のDJに惜しまれながら一時休止となります。

しかしDJは勿論国外のオーディオシーンからも復活を望まれ、2014年、Technicsブランドの人気が高かった国でもあるドイツのベルリンにて復活宣言を行いました。
そこから2016年に世界で1200台限定モデルのSL-1200GAEでSL-1200シリーズも復活、その他の分野も含め現在でも高い人気を誇る日本のオーディオブランドとなっています。

 

 

Technicsの代名詞的存在、SL-1200はなぜ人気?

 

弊社エコストアレコード、およびFace Recordsをご存じの皆様にとっては、やはりTechnicsといえばSL-1200シリーズではないでしょうか。中古買取でもかなりの数が出回り、また新品ではなく中古でも未だに海外からの人気も高く、近年では海外流出により少しずつ国内相場の上昇も見られます。そんなSL-1200の人気の理由について、少し掘り下げてみましょう。

 

まず、中古市場でも特筆すべき点ではありますが、人気の理由として高い耐久性があります。

レコードプレーヤーに対して、DJのプレイングというのは負荷のかかる行為でもあります。
そもそもDJが登場した1970年代、レコード盤自体に触れて操作するなどは考えられなかった行為であり、曲の頭を手で合わせたり、スクラッチをしたりという逆回転をともなう急激な回転の変化を行うということは、通常のベルトドライブやアイドラードライブではベルト等の部品の損傷や駆動するモーター自体の故障を招き兼ねない行為でもあります。

そのため、DJプレイでは現在ほぼ100%と言っていい程ダイレクトドライブが使用されるのですが、SL-1200シリーズはその中でも耐久性が高く、発売から30年、40年を超えるSL-1200 Mk2、SL-1200 Mk3でも外見の劣化に対して、一部の交換可能な部品の故障程度で回転動作が問題ない個体も数多く存在します。


そして次に言えるのはSL-1200のデザインと、それに付随する操作性ではないでしょうか。
SL-1200シリーズに搭載されている回転のON/OFFや回転数の切り替えは勿論、速度調整のためのストロボや調整機能というのは決してSL-1200だけの特別な機能ではなく、他の簡易プレーヤーを除いたレコードプレーヤーは殆どが同等の機能を有していますし、同じくTechnicsのSL-1100、SL-1300等も存在しましたが、それでもSL-1200がDJ達に選ばれ続けました。

通常速度調整機能というのは、元々あくまで先述の水晶発振器の技術が無かった時代、長時間回転させていると徐々に回転数が変わってきてしまうドリフト現象に対応し、ストロボを見て回転数を調整するためのものでした。加えてレコードプレーヤーではなく、元々はカッティングマシンに搭載されていた機能でもあります。

しかしながらDJが登場するとその速度調整を曲と曲を繋げる際のテンポや音程の調整に使用し、さらにはストロボ用のプラッターの凹凸でブレーキをかけたりと、全く違う楽器演奏のような操作性が求められるようになりました。

そうして先述の通りDJ達の要望が反映されたSL-1200 Mk2以降は、その大まかな外見は殆ど変わることは無く、さらにはMk2の発売後再びTechnicsの担当者がDJ達へヒアリングに行った際はこのまま何も変えなくていいと言われて帰ってきた、というエピソードもある程スタンダードになったと言えます。

操作しやすい縦向きの大きなピッチアジャストフェーダーに加え、Mk3Dから加えられたピッチリセットボタンや誤操作しにくいよう変更された電源ボタン、さらにはSL-1200の独自の回転機構・設計から生み出されたトルク(回転させる力の強さ)の丁度良さも人気な理由の一つです。

 

ここで先程の歴史をご紹介する中で気付かれた方もいらっしゃるかもしれませんが、前回の記事で『ベルトドライブとしてモーターを別筐体とした方が振動が少ないとされている』と述べたのに対し、上記の中ではダイレクトドライブでベルトドライブやアイドラードライブの振動を解消するためダイレクトドライブが開発された旨でご紹介させていただきました。一見、矛盾しているようにも思えますが、これは設計の違いや、まさしくSL-1200シリーズの優秀である点でもあるため簡単に補足させていただこうと思います。

 

まず、皆さんがよく知っているモーターと言えば、ラジコンやミニ四駆等に搭載されているような形のものではないかと思います。あれらはブラシ付きDCモーターと呼ばれ、磁石とコイルが発生させた磁界どうしの干渉から回転する力を生み出す仕組みのコイルの方が回転軸に付けられ、常に電極(ブラシ)が擦りつけられながらコイルに通電し回転します。このタイプでは単体で回転させてもヴィーンという回転音を発することは、上記の玩具や小学校の実験キットでご経験があるかと思います。

そこから磁石側を回転軸、コイル側を周囲に配置したブラシ付きモーターとは逆の配置にしたブラシレスモーターがあります。電極の回転部分への干渉が無く、回転を支える部分をスムーズにすれば、ブラシ付きより摩擦による振動を排除できます。

しかしもっと前提としてモーターの回転が速い程摩擦振動も、また少しでも回転がぶれていると強い振動を発するようにもなります。そのことから、ベルトドライブではモーターの振動をある程度存在するものとしたうえで物理的な配置で排除しようとする考え方、ダイレクトドライブではモーターそのものを静音化したうえで、1分間に33回転/45回転というレコードを回すちょうどの低速で回して振動を軽減する考え方の違いと考える事もできます。

そしてここからがSL-1200の構造に関わる部分になりますが、まずブラシレスモーターでも、回転軸を保持するための部分は支えと擦れ合う部分になるため、その質によって微細な振動を生みかねないと考えられます。また単純にブラシレスモーターを真ん中に設置し、軸の片側を上に伸ばしてその軸にプラッターを設置すると、長い軸に負担がかかりやすい上、プラッターよりも小さく、さらにモーターの筐体より小さい径から軸を介して大きなプラッターを回さなくてはならないため、てこの原理で単純に見ても、モーターの各所への負担が大きくなります。
それを見事に解決しているのがMk2以降のSL-1200シリーズの回転方式です。

 

 

こちらは中古のSL-1200 Mk3 のプラッターを取った内部になるのですが、中央にプラッターを載せるための軸があり、その周りを外向きにコイルが並んでいるのが分かりますでしょうか。そしてモーターを構成するための磁石は何処にあるかというと、

 

 

このようにプラッターの下側に直接取り付けられています。
つまり、軸を回転させてその力をプラッターに伝えるのではなく、プラッターそのものを回転させる力を軸で支えるような形状になっています。これによりある意味中心軸はモーターの構造の内部というよりも、ベルトドライブと同じように回転を保持する軸単体で追求できる形となり、単にモーターを内蔵するよりさらにスムーズな回転を追及していると言えるでしょう。

これも考え方によってはレコード用のカートリッジが針先から動かされた内部で磁界の変化を読み取るものであるため、ある程度大きい径のドーナツ状の磁石そのものが中央で回転していて、多少の影響を及ぼす可能性は考えられるとも言えます。しかし独自ダイレクトドライブの回転の安定性、上記の構造による滑らかさ、さらには一台一台の磁石やコイルの個体差も調整しながら出荷されているという高精度のSL-1200は、ハイファイオーディオでも評価されるべき性能を有しています。

 

中古買取で高額になるTechnicsの名機たち

 

SL-1200 Mk4

1997年発売のSL-1200シリーズの4代目。DJ用レコードプレーヤーとして大ヒットしていたMk3までのノウハウを踏襲し、ケーブル脱着・付け替え可能になり、78回転にも対応するなど歴代の中ではオーディオ寄りの仕様で発売された今でも人気の機種です。

 

 

エコストアではこちらを最大¥45,000-買取しています。

 

 

Technics SU-10000

1972年に当時の世界最高レベルを目指して技術を結集した、テクニクス初となるトランジスタコントロールアンプ。同時に接続端子を国内で初めて金メッキ化したといわれる事からも、徹底した拘りようが垣間見えます。

 

 

エコストアではこちらを最大¥100,000-買取しています。

 

 

Technics高価買取の為に注意すべきこと

 

弊社買取コラムの中で何度もなるべく綺麗な、動作した状態で売ることがオーディオ買取で高価にするための重要な要素であることを述べています。先程もSL-1200の頑丈さを述べさせては頂いたのですが、それでもやはり繊細なオーディオ機器であることには違いなく、ずさんな梱包や運搬では破損、故障に繋がることは言うまでもありません。

今回は特別に、弊社のオーディオ宅配買取の中でも特に多いSL-1200の梱包方法について軽くご説明させていただきます。

まず、どの機種でも大前提になるのですが、元箱が中のスチロール材も含めて残されている場合は、なるべく出荷時通りに梱包しましょう。実際その形で工場から出荷され、お客様の元へ無事に届く構造に設計されているため、輸送中や保管中の破損が一番少ない方法になります。

特にSL-1200の梱包は海外需要も非常に多かったせいか、かなり洗練された構造になっており、エアー材(プチプチ)等を使わずとも、それだけでほぼ事故の無い梱包が出来ます。

 

 

次に、そうした梱包材が残っていない場合についてご説明します。

レコードプレーヤーの運搬で多い事故は、まず重量のあるプラッターが外れてダストカバー内で暴れて傷がつくこと、次にそれがトーンアームやダストカバーにぶつかり破損させてしまうことです。SL-1200の場合、特に前者の時点で致命的なダメージとなる可能性があります。何故なら、プラッターの裏に回転に必要なモーターの構成要素である磁石がつけられているからです。これが割れてしまう危険性があるためお客様にプラッターを外すか、固定しての発送をお願いするのは勿論、エコストアが販売する際も必ずプラッターは本体から外してお客様へと発送しております。

先程の写真のように、スチロール材が残っていれば簡単に分けて梱包することができるのですが、それが無い場合はそうはいきません。まずスリップマットやゴムマットをどけてプラッターを外し、これ単体でエアーなどを巻き別々にしておきます。

 

 

そうして本体の処理に移っていくのですが、次に気に留めなくてはいけないのがトーンアーム部分になります。この部分も動き回ってしまうと本体が破損したり、アームレストが折れてしまったりという事故につながりかねないので、

 

 

このようにウエイトやカートリッジは外しておき、トーンアーム自身をアームレスト部分とビニタイなどで固定します。そして、外したウエイト等はこれらも個別で包装し、プラッターを外したプラスチックカバー部分に養生テープやマスキングテープで貼り付けておきます。跡が残るようなガムテープやビニールテープは避けましょう。

 

 

次にケーブルをなるべく綺麗に束ね、同じようにエアーなどで巻いて本体側面に貼り付けます。時折本体上面に回してダストカバーとの間に挟むようにして固定されて入荷されてくるケースがありますが、これは下の写真のようにケーブルを挟んでいる部分から負荷がかかりダストカバーが割れることもありますのでおすすめしません。

 

 

そうして動く部分が全て固定し終わったら、緩衝材を詰めながらダストカバーを被せます。写真では大き目のエアー材で詰めていますが、これが無い場合は新聞紙などを丸めて埋めても大丈夫です。また、ダストカバーより大き目のエアー材を挟むことによって、ダストカバーと本体が直接当たらず、輸送中に擦れ傷が増えるのを防ぐこともできます。

 

 

ここまで出来たらプラッターを除いた全体を再度エアーやラップ等で巻き、ダストカバーと本体を一体の形にします。そこから箱に詰めていくのですが、

 

 

まずこのように両端を緩衝材などで数センチ程度かさ増しし、その真ん中にプラッターを逆さ向きで置きます。その上に本体を置くようにすると、本体の脚の高さがそこそこあるため上手く4本脚の中にすっぽり収まる形になります。

 

簡易的に図にするとこんな感じです。緩衝材が厚く、プラッターとの隙間が大きく開いてしまう場合は間も詰めてあげるとなお良いでしょう。
そこから周りや上面に本体が上下左右に動かないようしっかり緩衝材を詰めていきます。箱を持ち上げてゆすってみて、中身がずれてしまわなければOKです。また、上に積まれたときになるべく崩れてしまわない段ボールにして、緩衝材を蓋部分までしっかり詰めてあげることで、本体が潰れて圧迫されてしまう事も防げます。弊社宅配買取の際はレコードプレーヤーサイズの段ボールの手配も可能ですので、お気軽にお問い合わせください。

 

 

最後に付属品であるスリップマットやゴムマットを忘れず入れれば梱包は完了です。なかなか通常使用で壊れることのないSL-1200、発送や運搬で壊してしまうと勿体ない。我々がお客様へ発送する際にはさらに特殊な緩衝材で厳重な梱包を行っており、それだけやはりオーディオ機器自体は気を使うべきものです。
皆様もSL-1200だけではなく、他の機種でも宅配買取等へ出される際のご参考にしていただけると幸いです。

 

 

いかがでしたでしょうか。現PanasonicのオーディオブランドであるTechnicsと、SL-1200に関していつもより長めにご紹介させていただきましたが、実はこれでもまだまだ一部。
日本を代表するオーディオメーカーの一つである製品群は、現代でも価値が詰まった名機かもしれません。中古買取の際は、是非エコストアレコードへ。

 

 

弊社オーディオの高価買取リストはこちら↓

 

その他弊社買取コラムはこちら↓