ALLMAN BROTHERS BAND / BROTHERS AND SISTERS / WARNER P-8345W
1973年 スタジオアルバム5作目
アメリカ南部特有の泥臭いサザンロック、スワンプロック、カントリーロックの代表的名盤
オリジナルメンバーであったデュアン・オールマンを交通事故で71年に亡くし、72年にはベースのベリー・オークリーも亡くなる不幸に見舞われ、契約していたアトランティックからも見放される苦境ながらも新しいメンバー、チャック・リーヴェルを迎え今までのテイストを強靭にしながらも新しい可能性を魅せたカムバック作である。
オールマンらしいといえる完成されたカントリーロック曲であり、ロック史に残るであろう名曲「ランブリング・マン」を含む今作はバンド史上初のビルボード1位を記録する大ヒットアルバムとなった。イギリスでも初のチャートインを果たす。
非常にバンドとしても音楽的な拡がりを見せ、将来への期待が膨らむ時期であったが、ディッキー・ベッツとグレッグ・オールマン2人がバンド楽曲制作の中心となっていた両者の良さでもあった制作カラーの違いが、その後、次第にバンド内でも不協和音となって行く。
今作の発表後、翌年に2人は各々のソロアルバムを制作するが、明確にその向かう方向性の違いは助長され、結果バンド崩壊への道を歩んで行ってしまうという皮肉なことになる。