ART PEPPER / MEETS THE RHYTHM SECTION / CONTEMPORARY LAX-3011
1957年1月録音
ウェストコーストジャズと言えば、この人ではあるが、俗に称される哀愁アルトサックスの音色が存分に堪能できる。
ジャズの名盤特集が組まれるとまず登場するこの盤ではあるが、制作時の裏話を知ると少し違った角度から聴けるものである。
スターであった(金が動く)マイルス・デイヴィスがロサンゼルス公演した際、COJレーベルのプロデューサーであったレスター・ケーニッヒは、当時売り出したかったアート・ペッパーを共演させようと画策する。
結果、デイヴィス以外のメンバーを借りる事できコラボできたわけだが、アルバムタイトルが「ミーツ・ザ・リズム・セクション」を冠しているのはそういう由来である。
ジョン・コルトレーン、レッド・ガーランド、ポールチェンバース、フィリー・ジョー・ジョーンズらによる演奏が悪くなるはずがなく、当然アート・ペッパーの演奏も素晴らしいのだが、金のためというのはビジネスの大前提ではあるとしても、やや大人の事情を知ると歓迎できなくなってしまう自分が居る。
予想通りに商業的にも成功を収めた企画盤であったが、レスター・ケーニッヒも今作で味を占めて制作された第二弾企画盤が不発に終わるのは何とも言えない気持ちになってしまう。