BILL EVANS TRIO / PORTRAIT IN JAZZ / RIVERSIDE SMJ-6144
1959年12月録音
レーベル Reverside
ビル・エヴァンスと聞いて思い浮かべるのは「ワルツ・フォー・デビイ」とこの作品ではないでしょうか? ジャズ名盤特集があると必ず挙がる作品ですからジャケットも含め非常に目にする事も多い盤だと思います。
ベースにスコット・ラファロ、ドラムがポール・モチアンというキャリア史上最強トリオ編成。
ジャズスタンダードとなる屈指の名演奏曲「枯葉」収録
彼が唱えたモード進行による演奏は後のチックコリア・キースジャレットにも強い影響を与えた。
「ワルツ・フォー・デビイ」にも言える事であるが、この作品も含め、レコーディングの状態が非常に良い。名盤と言われる数多い作品の中でも録音が悪いことによって演奏が素直に楽しめなく勿体ない気分になる事もしばしばあるが、エヴァンスのこの2枚は現場のホコリの音までも聞こえているのではないかという錯覚さえ引き起こす澄んだ空気に艶めかしく薄暗い闇で光るピアノが迫ってくる。
遠くの北海道に住む古い友人が「寒い冬のしんしんと雪降る夜にはビル・エヴァンスのピアノがとても似合うんだ」と言っていた。
静寂と力強く活きる生命力、エヴァンスのピアノが世界中を今なお魅了し続けるのは、それに寄り添う多種多様な人間模様が同時にあるからだと信じている