CAMEL / SNOWGOOSE / LONDON GP-156
1975年、UKプログレッシブバンドの雄、3作目
プロデューサーはデイヴィッド・ヒッチコック
前作「ミラージュ」は、トールキンの名作小説「ロード・オブ・ザ・リング」をモチーフにしたが、今作はポール・ギャリコの同名小説「THE SNOW GOOSE」をベースにした物語世界を展開したアルバムとなっている。(原作者ギャリコは好意的では無かったらしいが)
今作も彼らの特徴である叙情系プログレと称される美しいサウンドで、
テュララ~系のスキャットやルー系のウイスパー・ハーモニーが時折入るが、オールインストアルバムになっている、まさしく幻想的な小説の世界を叙情的なサウンドだけで構築している点では成功していると思える名盤だ。
プログレッシブロックバンドと聞くと、何だか難解なイメージで理論や超絶テクニック披露宴になっているのではないかと思われがちだが、キャメルのサウンドは聴きやすく、ポップである。某国営放送の深夜ラジオでオンエアされてそうだと思ったのだが、実際、よくオンエアされているらしい。
シンセやヴァイオリンなども含みアンドリュー・ラティマーによるファンタジックなギターの音色と響きが、モヤモヤした淡い夢の微睡み世界にいざなってくれるだろう。全16曲43分。