アメリカを代表するシンガー・ソングライター、キャロル・キングのセカンド・ソロ・アルバム。16歳でのデビュー当時は曲に恵まれず、歌手としての道から遠ざかるものの、1960年代になると、最初の夫ジェフリー・ゴフィンとともにヒット作を次々と生み出すことになったキャロル。本作は、ジェフリーとの離婚後、1970年代に入ってシンガー・ソングライターとして独り立ちを始めたころに発表したもの。グラミー賞4部門制覇を成し遂げ、今なお世界各地の人々に愛されるロングセラーとなっている。

　「It’s Too Late」は明るくさわやかなポップメロディに別れのせつなさを乗せた一曲。収録曲の中で特に日本で親しまれたのが「You’ve Got a Friend（君の友だち）」。素朴で芯の強さが見える彼女の歌声が無二の友情をストレートに表現する。ゴスペル女王アレサ・フランクリンに提供された「A Natural Woman」は思う人への愛を素直に表現する名曲。アレサの力強さとはまた異なり、シンプルな歌唱に愛が緩やかに染みてくる。

なお、キャロル・キングは、五輪真弓のファースト・アルバム『少女』にピアノで参加している。