DEEP PURPLE / STORMBRINGER / WARNER P-8524W
1974年リリース スタジオアルバムでは9作目 邦題は「嵐の使者」
プロデュースはマーティン・バーチ
ドイツ・ミュンヘン録音
前作で加入した、デイヴィッド・カヴァーデールがボーカルを務める第三期ディープパープル編成。ロニーとソロバンドを並行して活動していたのもあり、バンドのサウンド変化にもともと疑問を呈していたリッチー・ブラック・モアがとうとう今作を最後に脱退してしまう。
カヴァーデールとグレン・ヒューズの新加入でブルースやソウル、ファンク色がどんどんと強くなるバンドであったが、意見が通らず不貞腐れていたのかリッチーのクラシカルな様式美ギターはなかなか披露はされないが、バックギターとしてリズムを刻むリッチーの巧みなサウンドは素直かつ実直である。
キャリアの中では駄作扱いされている所があるが、アメリカン・ロックアルバムとして今聴くと案外良質なアルバムである。
特にジョン・ロードのシンセパフォーマンスがこんなにアメリカンロックとマッチしているのは意外な発見ができるだろう。
この方向性を持ってカヴァーデールはホワイトスネイク(ジョン・ロードも加入)を結成してしまうが、そのための軌跡点であろうアルバムとして捉えると面白い。