ELVIS PRESLEY / THATS THE WAY IT IS
1970年発表 映画「エルビス・オン・ステージ」のサントラ盤として発売された。
邦題は「エルビス・オン・ステージ vol.1」
1970年8月~9月まで約1ヶ月間に行われた公演の記録である。
しかし、ライブ音源だけでなくスタジオ録音音源、中にはオーバーダブによって観客の拍手などを後から付け足した楽曲も混在しており、どういう意図であったのかは推し量ることはできないが、純粋なライブの音源とは言えない部分がある作品である。
映画を見ればよく分かるのだが、日本で大ヒットした今作が、世間が思う白いジャンプスーツにリーゼント姿というイメージを決定付けた作品であろう。
キャリアとしても脂が完全に乗り切っている(体型的にも若き頃よりも少し肉付き良くなり貫録のある)時期の名パフォーマンスを見ること・聴くことができる。
20代は若者のカルチャーにまで影響を与えるアメリカンスーパーロックスターとなったが、30代からの人気の陰りや映画出演など本人にも迷いがあったであろうからの大復活公演となる圧巻のステージング。それまで燻っていた不満や葛藤が見事に昇華したパフォーマンスである。
そして注目すべきは、若さエネルギーで乗り切っていたロックンロールよりも、バラード曲が凄く良くなって来ている点も見逃せない。