ERIC CLAPTON / BEHIND THE SUN / DUCK 925 166-1
1985年リリース
プロデューサーは、ジェネシスやソロでも活躍していたフィル・コリンズ、一部曲にヴァン・ヘイレンの仕事でも知られるテッド・テンプルマン、レニー・ワロンカー。
ワーナーブラザーズにレーベルを移籍し、クラプトンとしてもセールス的に良いとはいえない不遇な時期を過ごしていたため、レーベルの方が売れ線狙いのアルバムを作るよう強く指示した結果出された作品となった。
作詞・作曲の楽曲制作面でも、彼自身でなく他人の曲が目立つ。
フィル・コリンズの嗜好が色濃く出ており、AOR的なサウンドアプローチがアルバム全体を覆っている。またテッド・テンプルマンなどアルバム曲全てを同じ人間独りで制作していない、他人の楽曲と相まって、流行的なサウンドを取り入れたのは良かったが、全て寄せ集め的な曲調になり散漫さを放つアルバムである。
期待されたチャートアクションであったが、結局、全米34位が最高という残念な形となってしまい、クラプトン・ソロ作では最低の記録となってしまった。
自身の意に反し、レーベル側の意向を組んだアルバムだっただけに、気の毒に思えてならない。
次作にもフィル・コリンズを起用し、再起をかけるが音楽的・セールス的にも奮いを見せず苦難な時代が続くのであった。