ERIC DOLPHY / OUT TO LUNCH / BLUE NOTE BST 84163
収録曲
A1 | Hat And Beard | |
A2 | Something Sweet, Something Tender | |
A3 | Gazzellioni | |
B1 | Out To Lunch | |
B2 | Straight Up And Down |
1964年2月 ドイツ・ベルリン録音
レーベル ブルーノート
プロデューサーは、ドイツ出身でもあるレーベル創設者アルフレッド・ライオン
メインをアルトサックスに、フルートやクラリネットを自在に操り、ハードバップを経て繰り出されるアブストラクトと呼ばれる孤高のプレイは異様な雰囲気を持っている。
今作録音後の半年後に36歳の若さで亡くなってしまう彼の持つ謎で魅惑なサウンドが鬼気として迫ってくる。後期キャリアでも最高のプレイが収められているエリック・ドルフィーという人間を知る上でも迫力の盤である。
冒頭曲「Hat And Beard」はセロニアス・モンクに捧げた曲であるが、ボビー・ハッチャーソンのヴァイヴソロが白眉である。
ドルフィーの煙たく万華鏡のような幻想サウンドを支えるのが、当時19歳であったトニー・ウィリアムスのドラムで、意識が行ったり来たりするような作品全体を散漫で終わらせない引き締まった仕上がりにしているが、やはりドルフィーのラインは混沌とした世界が続く。
ドルフィーの放つアブストラクトなサウンドは、ジャズという枠組みを超えて、ヒップホップにまで波及し、ショウビズA.G.や、DJカムらによって好まれるように後にサンプリングされ多方面に影響の余波を与えて続けている。