ERROLL GARNER / CONCERT BY THE SEA / CBS/SONY 20AP 1470
1955年9月録音
アメリカ・カリフォルニア州カーメル市公会堂でのライブレコーディング。
エディ・キャルホーン(b)、デンジル・ベスト(ds)でのトリオ編成。
ジャズピアノ界で孤高というかワン&オンリーなピアニストと言えば彼であろう代表作。左利きであり、きちんとした音楽教育を受けておらず楽譜が読めなかったエピソードも驚きであるが、「ビハインド・ザ・ビート」と言われる左手のコード弾きに対して右手のメロディが遅れる独特のスウィング感はこういった経緯が生み出した賜物かもしれない。
ステージングでは生粋のエンターティナーであり、観客を楽しませることに重きを置いていたようで、今作でも「4月の思い出」や「枯葉」など名曲をチョイスしているのも、分かりやすい題目を楽しく演奏しようとする姿勢が伺える。
どうしても小難しいジャズ論が登場して敷居が高く思ってしまうジャズピアノであるが。ハッピーに楽しいジャズピアノを聴きたければ今作なのである。
ジャケットも見てるだけで何だか楽しい。
ちなみにカーメル市は後にクリント・イーストウッドが市長を務めた街で、彼の映画「恐怖のメロディ」にガーナ―の曲「ミスティ」が使われている。因果関係があるのかどうかは分からない小ネタです。