FLEETWOOD MAC / SAME / REPRISE P-10074R
1975年発表 10作目 邦題は「ファンタスティック・マック」
ブルース、ジャジー路線からポップスロック路線転換に見事成功したバンド初の大ヒットアルバム。ビルボード1位獲得。
ボブ・ウェルチ脱退後のアルバム「噂」・「牙」でも重要な人物となる、リンジー・バッキンガム(ギターボーカル)、スティービー・ニックス(ボーカル)のソングライティングもこなせる新メンバー加入により、大幅にバンドの表現の拡大した。
シングルヒットした「Rhiannon」では特にスティービーニックスによる澄んだ美しい女性の歌声・ソングライティングのセンスに注目できる。明らかに今までになかったバンドの要素を生み出しているのが分かるだろう。
またヒットした要因の一つに、ラジオでオンエアしやすいようにラジオ局エディット版曲を作成したり、ライブも地方の小さい会場を回って少しずつファンを増やすなど現代では当たり前になっている、バンドの商業的な売り込み方など工夫・戦略が始まった時期でもあった。
こういう風にバンド全体の音楽的路線を変えることは以前のファン離れを起こしかねないが、マンネリや苦境から脱却した路線変更での成長は大いに歓迎したいものである。素晴らしい名盤。