1973年 ソロスタジオアルバム3作目
ホワイトアルバムからのハリスン自身のソロワーク手腕については語られ尽くされているだろうけれど、前作「オール・シングス・マスト・パス」からのアコースティック路線は文句のつけようがなく完全なる才能が静かに爆発している。レノン、ポールという2大巨人に隠れているが、こういう素朴な曲を作るとピカイチなハリスンソロ。
シングルカットが「ギヴ・ミー・ラブ」1曲と全米チャート1位になっているが、アルバムともに全米チャート1位。ゆったりとチルアウトしたかのような美しく高水準なSSWが詰められている。
ビートルズ後期に入れこんでいたインド宗教・哲学からの強い影響が今作も神や何やらと歌詞に出ている部分もあり、「Be here now」などクドク感じるものもあるが許容範囲であろう。
ロネッツのボーカル、ロニー・スペクター(フィルスペクター妻)に書いたセルフカバー曲「トライ・サム・バイ・サム」は後にデビッド・ボウイがカバー。
もともと学生時代から教室の隅っこに座っている目立たない静かな人間であったエピソードが表す通り、静かにブレる事無くそこに佇んでいるジョージハリスンの音楽。
初期のアコースティック路線では傑作であろう。