JEFF BECK / BEST OF / EMI EMS-80632
1971年発表 ベストアルバム
エリック・クラプトン脱退の後のギターを担ったヤード・バーズ脱退後から第1期ジェフ・ベック・グループまでの、ベック自身のボーカルも聴ける貴重シングル曲を含むキャリア初期の編集ベスト盤となっている。
特にこの時期のバンドはロッド・ステュアート、ロン・ウッド、エインズレイ・ダンバーと豪華なメンバーであった贅沢なバンドの音源である。
今このベスト盤をザッと聴いても、非常にジェフ・ベックの才能を感じられる名曲揃いだが、当時はクリームなどクラプトンやツェッペリンのジミー・ペイジがギターの神様的な扱いで、ベックの評価は高くなかったようである。実際、ジェフ・ベック・グループも、スモール・フェイセズの前座レベルでツアーしていたようで、ベック自身もフラストレーションを抱えた時期であったろう。そして皮肉にもロッド・ステュアートとロン・ウッドは、バンドを脱退し、スモールフェイセズ母体へと吸収されるような形で加入してしまうのであった。
またロック・ギタリストの生きた伝説として君臨しているジェフ・ベックであるが、近年はテクノやエレクトロニカ等の電子音楽分野にも精力的に活動していて、彼の懐の深さにビビった経験がある。