JEFF BECK / THERE BACK / EPIC 25・3P-220
1980年リリース インスト3部作と言われる3作目。
プロデューサーは、ケン・スコット
キーボードは、80年代テレビドラマ、マイアミヴァイスのテーマ作曲などで知られるヤン・ハマー。
ドラムは、マイケル・シェンカー・グループなどで活動したサイモン・フィリップス。
この2人が今作では特に重要で、冒頭曲「スター・サイクル」から、当時隆盛の兆しを見せていた打ち込みソフト、シーケンサーを初導入し、機械の力強いドラミングと、フュージョン的シンセが絡むハマーのセッションにジェフ・ベックの叙情的なスペーシーギターが調和を起こす美しいサウンドとなっている。
レコーディング後半から、ヤン・ハマーが抜け、トニー・ハイマスと交代したが、ドラムもサイモン・フィリップスのジャズの手解きを経由しハードロックに行き着いた柔軟で迫力のあるドラミングが楽しめる。
ロックンロールインストと言うカテゴライズから見ると、電子音が目立つサウンドで、テクノやフュージョンという商業的流行に乗ったような印象を持って毛嫌いしていたが、フュージョンやテクノの耳が養われた今となっては、しっかりジェフ・ベックサウンドに仕上がっていると思う。
才能のある人間はどんなスタイルなろうともしっかりと魂込めてくる好例であろう。