JOHN COLTRANE QUARTET / CRESCENT / MCA VIM-5643
収録曲
A1 | Crescent | |
A2 | Wise One | |
A3 | Bessie’s Blues | |
B1 | Lonnie’s Lament | |
B2 | The Drum Thing |
1964年録音
レーベルはインパルス
ジョン・コルトレーン、テナーサックス
マッコイ・タイナー、ピアノ
ベースはジミー・ギャリソン
エルヴィン・ジョーンズがドラムというカルテット編成
いわゆる不動の4人である
インパルスレーベルというと多くの人が「バラード」を挙げる事に異論はないが、今作「クレッセント」も負けるとも劣らじな大傑作である。
特に50年代初頭にプレイヤーとして不動のものとする大成長を遂げたコルトレーンがインパルス時代とも言える澄み渡った哲学的・内省的なサックスの集大成な音色は飽きることなく長く聴かれるその精神性であろう。
ゾクゾクするような「静」のジャズを体現したいのなら今作から感じられる様々な意識が混在しているコルトレーンの物語を触れずにはいられない。崇高的でありまた神秘に包まれた解き明かすことのできない音の抒情詩。
初期のサックスが壊れるのではなかろうかとさえ思うブローした荒々しいコルトレーンが好きではあるが、そういう時代を経て辿り着いた彼の想いはこの時期に整合されているのだろう。
巨人とまで称される強烈で巨大な壁のような存在感の裏には、やはり繊細で壊れやすい人間への優しさと慈悲で溢れかえっているのであろう。