JOHN LENNON / MIND GAMES / APPLE EAP-80950
1973年発表 レノン自身初のセルフ・プロデュースアルバム
ジョン・レノン=ラヴ&ピースの象徴として扱われていることに凄く違和感があるのだけど、イマジンのイメージが強すぎてそうさせているのか、今作はファンからは結構評価が分かれる作品でして、そういうイメージを求めている人は肩すかしを喰らうかなという部分はあると思います。
そもそも今作発表前の私生活はドラッグ、セックス、精神疾患でボロボロになっていたレノンでして、到底ラブ&ピースとは程遠い環境であったわけで。
そこから1つ抜け出したのかと思わせるのが今作で良い言い方をすればレノンの私生活ラブ&ピースになっているわけです。
毎度ながら妻のオノ・ヨーコらしいコンセプチュアルアートで、新しい国家「ヌートピア」というガチガチの設定アルバムですので理解できない人はとことん楽しめない障壁があると思います。
レノンベスト盤にもよく収録される「Mind games」が印象に残る名曲ですが、ますますジョンレノンという宗教にも似た世界が繰り広げられて行きます。ビートルズ解散後ポールが大衆へ向かう中、平和と愛を満たしながらも独り内省的な方向に進むジョンのブラブラと揺れる1本綱渡り的な危なっかしさを感じてしまうのは私だけでしょうか?