KENNY DREW TRIO / SAME / MILESTONE SMJ-6037
1956年9月ニューヨーク録音
レーベル RIverside
USジャズのビジネス的な低迷と、遅れて開花してきた欧州ジャズの需要とが相まって60年代は多くのアメリカ人ジャズマンが欧州へと活動を移した時期であったが、ケニー・ドリューもまたその一人であった。
61年にフランス・パリへ、63年からはデンマーク・コペンハーゲンへと場所を移したが、50年代もまたアメリカに国内でも西や東と忙しく場所移動し活動するユニークな様子は彼の性分なんだろう。
西から東に戻りそんなNYでの復帰作が初のリーダーアルバムとなり、ベースがポール・チェンバース、ドラムはフィリー・J・ジョーンズからなるトリオ結成。
ハードバップ代表するピアノマンとして有名な彼のスウィンギンな演奏をリズム隊も負けじと対抗する。
デューク・エリントンの「キャラヴァン」から始まり、セロニアス・モンクの「ルビー・マイ・ディア」、*「星に願いを」などスタンダードナンバーを軽快にプレイして行く。
バド・パウエルからの影響を公言している通り、奇をてらわない誠実で実直なピアノが奏でられ、純白の糸を丹念に紡がれていくかのようだ。
70年以降は、日本のレコード会社が彼をガッチリとサポートして、ピアノトリオ作品を沢山残した。