KING CRIMSON / LIZARD / ATLANTIC P-8049A
1970年リリース 3作目
前作からメンバーの脱退が鮮明になってしまい事実上のオリジナルメンバーはロバート・フリップただ一人だけになってしまった。
ほぼ解散していると言っても過言ではない状態で、前作参加のフリージャズピアニストであったキース・ティペットが、クラシック・ジャズ界の仲間を引き連れて完成されたアルバムである。
同じくプログレッシブロックバンドであったイエスのジョン・アンダーソンが参加している。
やはりメンバーの影響か、意図的なのかどうかは計り知れないが、フリージャズ要素が前に出てくる形になっており、元来のクラシカル的要素を期待していたファンからは受け入れられていない様子もある。
しかしジャズとしての耳で聴いていると良く出来ている作品で、キングクリムゾンとして作品を比較するのは非常に惜しい。むしろ、クロスオーヴァーが進む現代ロック事情ではこのアルバムが再び評価されるべきであると思う。
今もアルバムを聴きながら、この文章を書いているが埋もれていくには勿体ない気で溢れる。
またアナログB面は24分近くになるリザード1曲だけの盤面になっていたが、哀しい哉、他のプログレバンドも同じような手法で作品を同時期に発表してしまい、既視感のあるアイデアとなってしまっている。