MILES DAVIS / ALL STARS WALKIN / PRESTIGE SMJ-6528
1954年4月 Prestige リリース
トロンボーン:J・J・ジョンソン
アルト・サックス:デイブ・シルドクラウド
テナー・サックス:ラッキー・トンプソン
ピアノ:ホレス・シルヴァー
ドラム:ケニー・クラーク
ベース:パーシー・ヒース
村上春樹氏もフェイバリットに挙げるハード・バップ、モダンジャズの持つ旨味を存分に味わえるであろう名盤。ジャズという大雑把なイメージを知るには一番良い作品ではなかろうか。
復帰作と呼ぶ人も多い今作だが、50年代前半を重度の麻薬中毒と不安定な精神でヘロヘロの生活を人里離れた田舎町で過ごしていた人とは思えないマイルスのNYでの好演が輝やいている。
谷啓さんをはじめ自分はジャズ・トロンボーンが聴けると、それだけでご機嫌なので、ひいき筋ではあるが、j・j・ジョンソンの演奏は素晴らしい。このアルバムは、マイルスだけでなく、人それぞれ違った視点で自分の好きな各演奏者を語る盤でもあるように全てのパートが個性豊かに際立っている。
本人自身も自伝でこの時期の勢いに満ちていたエピソードは語っているが、ジャズシーンの主軸を握っていたウエストコーストジャズから、東海岸に再び主導を握らせることに成功させたマイルスの功績は大きい。