MILES DAVIS QUINTET / COOKIN WITH / PRESTIGE SMJ-6534
1957年リリース 1956年10月録音
レーベル prestige
移籍に伴い、レーベルに残っていた4枚の契約を消化しようと5月~10月の間に録音された「マラソン・セッション」と呼ばれる4枚のうち、最後のレコーディングとなる今作
タイトルは、マイルスが「スタジオに来て曲を調理した」と言った事から命名されたらしい。
メンバーは黄金期と呼ばれる、
ジョン・コルトレーン (ts)
レッド・ガーランド (p)
ポール・チェンバース (b)
フィリー・ジョー・ジョーンズ (ds)
のクインテット編成
マラソン・セッションの音盤は、各メンバーの熱量と言いどれも素晴らしいのだが、5月から急加速で仕上げるために過密レコーディングを行った事が叩き上げになったのか、まだ若干未熟と言われていたコルトレーンのホーンがより成長して強靭としたものとなっている事が伺える盤である。
冒頭曲&代表曲「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」ではコルトレーンが顔を見せないが、素朴なピアノとミュートされたワンホーンの絡む美しい音色は、時間を超えた水平線彼方まで永遠に拡がって行くようである。
事実、マラソンセッション最高作と呼ぶ人も多いが、次作から新たなる決意でレーベル移籍して行こうと区切りをつけるマイルスの意気込みがヒシヒシと伝わってくる。