MILES DAVIS / ROUND ABOUT MIDNIGHT / CBS/SONY 18AP 2052
1956年リリース
CBS/コロンビア(超一流ミュージシャンの証)との契約後、初作品である。
レコーディングは55年の暮れから56年夏頃となっているが、これは突然移籍契約した以前のレーベル、プレスティッジとの契約が残っていたため、契約精算するための伝説の4枚「マラソン・セッション」を同時期に録音していたためである。
タイトル曲はセロニアス・モンクが作曲し、盟友アレンジャーとなって行くギル・エヴァンスがアレンジ、コール・ポーターが作曲で参加したりと大手レーベルらしい豪華な制作布陣とともに、アメリカの小さなジャズ畑から世界中にジャズという音楽を知らしめる事になるマイルス快進撃の歴史が始まる。
そしてジャズ史を溯る事はマイルス・デイビスのバンドメンバーを溯る事とも言われる通り、無名のジャズマンを発掘する彼の才能も如何なく発揮される盤である。
この盤では、才能の原石を見る程度で後の爆発するセンスを感じるほどではないが、無名のジョン・コルトレーンが参加する事は、ジャズ史において見逃せない出来事である。
モダンジャズ史において名盤中の名盤と称される今作であるが、演奏だけでなくメンバーや出来事においても重要性として名盤なのである。