MODERN JAZZ QUARTET / FONTESSA / ATLANTIC P-7517A
収録曲
A1 Versailles (Porte De Versailles)
A2 Angel Eyes
A3 Fontessa
B1 Over The Rainbow
B2 Bluesology
B3 Willow Weep For Me
B4 Woodyn You
1956年1,2月録音
レーベル アトランティック
ジャズ屈指のコンボ「MJQ」が52年に結成され、プレスティッジから移籍したアトランティックでの1作目になる今作は、グループとしても洗練され一番脂の乗っていた時期であろう
長いキャリアの中で、ほとんどメンバーチェンジの無いジョン・ルイス(p)、ミルト・ジャクソン(vib)、パーシー・ヒース(b)、コニー・ケイ(ds)という最強カルテットは強力な結束力がある。またヴィブラフォン奏者が居る事にも個性的なジャズを作り上げる美学がある。
ミュージカルのディレクターもこなすジョン・ルイスのクラシックなバロック式音楽手法とジャズの即興性の融合は、ルネッサンス時代の喜劇をモチーフにして作られた曲「フォンテッサ」にて存分に味わえる。各楽器にて物語性を再現するアイデアは、さも欧州演劇場にて観覧しているような空気さえ併せ持っている。
私は、小学生の頃に音楽室に置いてあった鉄琴の美しい響きとマレットで叩くという演奏法に魅了され、ずっと憧れのようなものをこの楽器に持ち続けているのだが、ミルト・ジャクソンが鳴らす格式高い上品な演奏が続いているだけでも、ずっとスピーカーに耳を傾けられる極上の時間なのである。