MOODY BLUES / SEVENTH SOJOURN / THRESHOLD LAX-1027
UKプログレッシブロックバンド1972年、スタジオ録音8作目のアルバム。
英国プログレ界ではキャリアの長い古株で、メロトロン(今作ではチェンバレンの導入)を使用したシンフォニックロックの始祖とされ、ジミー・ペイジが「本当のプログレバンドは、キング・クリムゾンとムーディー・ブルースだけだ」と言わしめたほどである。
初の全米チャート1位、全英チャート5位のヒットとなった今作はキャリア集大成と言える内容であろう。
前作「童夢」がイギリスチャート1位、アメリカチャート2位を記録する大ヒットとし、バンド史上でも最高作とされているが、今作はより前作の路線を深め、良曲の多いアルバムとなっている。事実、今作を持ってバンドはメンバー脱退等を含め解散状態になるが、2作における創作エネルギーで、全て出し切った感はあったのかもしれない。
結局バンドとしてのラストアルバムとなってしまうのだが、ジャケット写真に添うかのような幽玄なサウンドスケープが拡がる美しいアルバム最終に、全く曲調の違うポップハードロック曲「ロックン・ロール・シンガー」を唐突なまでに持ってきたのは、全てをぶち壊し、ハジけて終わってしまいたいというバンド全ての線が切れてしまったかの暴力的な印象を持ってしまう。