PAUL MCCARTNEY / PIPES OF PEACE / ODEON EPS-91071
1983年リリース ソロ名義では4作目の作品になる。
プロデューサーはジョージ・マーティン
2枚組構想であった前作「タッグ・オブ・ウォー」が1枚として発売されたため、残された曲を再ビルドアップ+新曲で発売されたのが、今作である。よってレコーディングは前作と同じ時期81年~82年に行われた曲を多数含む。
またゲストも注目すべきで、前作スティーヴィーワンダーとの共演も話題であったが、今作ではスーパーポップスターであったマイケル・ジャクソンとの共演「セイ・セイ・セイ」は全米チャート6週1位を記録、ビートルズのメンバーとマイケル・ジャクソンのタッグは現在でも語られ続けるほどのインパクトがあった。
チック・コリア率いるフュージョンバンドのベーシスト、スタンリー・クラークも参加し、当時アメリカ音楽市場のホットな部分を取り入れようとしてた戦略が伺える。
しかし強力なシングルヒット曲を収録していながらもアルバム単体としての売り上げは振るわず、前作との2枚組構想が有効であったとしても、1アルバムとしては内容的にもいささか散漫な仕上がりとなっているのは否めない事実であろう。
どうしても今作がマイケル・ジャクソンと共演したシングル曲収録とだけ紹介されるのは惜しい。