PINK FLOYD ATOM HEART MOTHER EMI EMS-80320
Atom Heart Mother | ||
A.a | Father’s Shout | |
A.b | Breast Milky | |
A.c | Mother Fore | |
A.d | Funky Dung | |
A.e | Mind Your Throats Please | |
A.f | Remergence | |
B1 | If Written-By ? Waters* | |
B2 | Summer ’68 Written-By ? Wright* | |
B3 | Fat Old Sun Written-By ? Gilmour* | |
Alan’s Psychedelic Breakfast | ||
B4.a | Rise And Shine | |
B4.b | Sunny Side Up | |
B4.c | Morning Glory |
1970年発表、イギリス先鋭的デザイン集団ヒプノシスらによる牛ジャケットも素晴らしい5作目。バンド初の全英1位を記録し大ヒットとなった。
英国内ではサイケデリックロック全盛であったが、そのサウンドからは脱却しようとメンバーは独自の手法を模索し始めた。結果、ブラスやチェロを取り入れたクラシック要素に壮大な長尺の曲構成という手法は後にプログレッシブ・ロックというジャンルの雛形となり、キングクリムゾン・イエスと並ぶプログレ御三家と呼ばれる。
アナログ盤では冒頭曲「Atom Heart Mother」が片面A面を23分ほぼ1曲で終了するため、1曲聴き終ってから盤面を残り4曲が収録されるB面に返し再び針を落とす行為の時には、1曲に圧倒されたあとの精神的疲労感を少し覚えるほどのパワーを持っている。
メンバー自身は今作を意識的に前衛化しすぎた平凡作と後に語っているのは皮肉な事ではあるが、現在では高く評価されるアンビエントミュージックの先駆者ジ・オーブやKLFなど、後に続くバンドやアーティストに与えた影響は大きい名作であると思う。
ジャケットデザインの大きさや盤面の意味なども含め、ぜひともデジタル配信購入やCDではなく、アナログ盤で体験して欲しいアルバムだ。