PINK FLOYD / UMMMAAGUM / ODEON OP-8912,3
1969年発表 スタジオアルバム3作目
LP2枚組の大作で、A/B面が代表曲のライブ音源、C/D面がメンバー4人それぞれのソロ曲収録スタジオアルバムというコンセプチュアルな構成になっている。
プロデューサーは、ビートルズの初期エンジニアであったノーマン・スミス
ジャケットデザインは先鋭アート集団ヒプノシス
ピンクフロイドというバンドが、まだサイケデリアから出発したサウンド呪縛を解けずに足掻いているように見える時期から1枚目のライブアルバムでケジメを付け、2枚目のスタジオアルバムから、メンバー互いの実験性を持ち寄って新しいバンドの方向性を模索しているように思える盤である。実質、2枚目の音源の方向性は、プログレ大名盤となる次作「原子心母」へ見事に昇華されていく。
またライブ音源も唸るファズギターや深いリバーヴ音響が施され、緩急凄まじいサイケ・フォーキー・ロックな怒濤のインプロセッションが繰り広げられておりライブバンドとしてのピンクフロイドの迫力が見事にコンパイルされている。
後の「狂気」・「ザ・ウォール」というモンスター傑作アルバムを発表するバンド史の転換期として考えると、確実に今作がキーアルバムとなっているだろう。
軌跡への重要な点である