PRINCE & THE REVOLUTION / PURPLE RAIN / WARNER P-13021
1984年 同名映画のサントラ盤である。
アカデミー賞とグラミー賞を受賞したプリンスの代表作。
R&Bやソウルといったブラックミュージックを基調にしながら、ロックやブルース、ディスコなどクラブミュージックまであらゆるジャンルを巧みに吸収したクロスオーヴァーな天才ミュージシャンという世間の肩書きとは別に、思春期だったウブな私の目に入ってきたプリンス様のヴィジュアルは強烈だったのであります。
見事なトラウマとなりまして、サウンドが完全に耳に入って来ないまでになり、世界中が天才と言う彼を毛嫌いするかのように長年過ごしてまいりました。
2016年の訃報とともに、プリンスファンの友人が悲しんでいた姿を見て、プリンスの魅力が分からないから教えてくれととうとう私は尋ねてしまったのです。
「黒人が納得する黒人音楽の脈々としたDNAを持ち合わせていながらも、ブラックミュージックではないプリンスというブラックミュージックを開発した事だ」
と放った言葉に電撃が走りまして、それまで解せなかったプリンスサウンドを1言で開眼させてしまったわけです。
それ以後はプリンス音楽が体にスルスル入るようになって私のヘヴィーローテーションとなったわけですが、もしプリンスが解せない方は、友人が言った事を意識してみては如何でしょうか。