RED GARLAND TRIO / GROOVY / PRESTIGE VIJ-208
A1C-Jam Blues 8:21
A2Gone Again 6:44
A3Will You Still Be Mine? 4:41
B1Willow Weep For Me 9:36
B2What Can I Say, Dear 7:13
B3Hey Now 3:40
「マイルス(マイルス・デイヴィス)組」の一員としても名をはせたジャズ・ピアニスト、レッド・ガーランドが1957年に発表した3作目のソロ作品。ガーランドの柔らかく叙情的なタッチを、軽やかなポール・チェンバースのベース、小気味よいアート・テイラーのドラムスが盛り立て、「いざ、ジャズ」と肩ひじ張らずにリラックスして楽しめる良作。
導入を任された1曲目の「C-Jam Blues」は、本作の中でも特に人気のあるナンバー。ガーランドの右手が解き放たれたかのごとく鍵盤の上を踊る様子が目に浮かぶ。〝Jam″というタイトルの通り、後半は怒涛のアドリブが続くが、爆発的な音の応酬というより、たわいないおしゃべりのよう。心地よく体をゆだねられる。2曲目の「Gone Again」は打って変わってしっとりとした旋律から始まるバラード。中盤に差し掛かったころに始まるチェンバースのソロは、低い音色の中にため息が漏れそうなほどの情感が込められ、その音色に導かれてガーランドのピアノも堰を切ったように心情を奏で出す。アート・テイラーのしっかりした仕事ぶりが光る作品でもある。5曲目の「What Can I Say, Dear」は、先の2曲とはまた趣を変えて、日常の一コマを切り取ったように穏やかな一曲。高揚感を味わいたいなら、3曲目の「Will You Still Be Mine?」。光をまとってはじけるようなガーランドの音色がさらに速度を増して降り注ぎ、聴く者の心を解放する。