ROXY MUSIC / AVALON / EG/POLYDOR 28MM 0172
1982年 8作目
全英チャート1位
プロデュースはレット・デイビス
ミックスは、デヴィッド・ボウイやTOTO、KISSなどの仕事で知られるボブ・クリアマウンテン
ロキシーミュージックを語る上で、71年~76年、78~83年までの再結成時期とは大きくバンドサウンドが異なる事を知っておきたい。
初期は、ブライアン・イーノが在籍していた事でも有名だが、容姿も含めアヴァンギャルド・グラムロック的要素の強いグループだった。一度解散したのち、再結成からはブライアンフェリーを中心に、ロキシーミュージックのセンスを持ちながら前衛さは薄まり、高質なポップバンドとしての活動に移行する。
その再結成復活後の第三弾アルバム、そしてラストアルバムとなるのが今作である。
当時の流行であったAOR的サウンドアプローチが垣間見える(クリアマウンテンの仕事であろう)が、ケルト神話の登場島「アヴァロン」をテーマにしているのも相まってアルバム全体に統一感のあるコンセプトでサウンドともに楽曲が引き締まっている。
ブライアン最高傑作と呼ぶ人も多いが、アルバムほとんどの仕事をフェリーがこなしているため、彼自身の才能が最高潮に達したポイントを贅沢に味わえる名盤であろう。
惜しい事にアルバム発表後の翌年、またロキシーミュージックは全ての力を出し尽くしたかのように解散してしまうのであった。