T. REX / SLIDER / ODEON EOP-80565
1972年発表 ティラノザウルス・レックスから数えて7作目のスタジオアルバムになる。
デヴィッド・ボウイと並ぶUKグラムロックを代表するグループであり、ボウイと同じくプロデューサーはトニー・ヴィスコンティが務める。
ジャケット写真はビートルズのリンゴ・スターが撮影と噂があったが、後にヴィスコンティ自身が撮影したものと発言。
バンドと言っても、ほぼマーク・ボランのソロプロジェクトのような形で、メンバーも毎回入れ替わる様な状態であった。絶頂から経験する人気の低迷とともに麻薬中毒や肥満などに悩み、77年、30歳の誕生日を目前に車の事故死により他界。
浦沢直樹による漫画「20世紀少年」のタイトルはT・レックスからが由来であるが、作品中も一貫して描かれているロックの持つ「何かが変わるかもしれない」雰囲気が表すように少年のような青臭いロックとサウンド、またセックス・ドラッグ・ロックンロールのようなロックスターらしい生き様が、より彼のカリスマ性を高めているように思う。
代表曲「テレグラム・サム」、「メタル・グルー」収録。
謎めいて不可解な音楽と不思議なコーラス・ファズギターサウンドが時代を超えてもなお魅力を放つロックアルバムである。