THE WHO / TOMMY / POLYDOR MPU 9707,8
1969年リリース スタジオアルバム4作目
全英チャート2位、全米チャート4位
プロデュースはキット・ランバート
ロックにオペラの要素を導入し見事融合に成功させ、ロックオペラという表現を確立した歴史的名盤。
それまでのロック業界は、シングル曲を連発して、コンパイルするというのがアルバムの役割であったが、アルバム全体の流れ利用してコンセプチュアルなトータル作品として提示した事にもこの作品の発表は大きな役割があった上に、フーというバンドがシングル曲に頼らなくても曲作りが出来るという存在を認知させたアルバムでもある。
オーケストラ・映画やミュージカルものちに制作され、現在も上演されるほどのスタンダード化した戯曲である。
三重苦を持った少年「トミー」が殺人や性的な障害を体験し苦悩する題材を昇華し、ストーリーテラーとしても優秀な能力を持っていることを証明したピート・タウンゼントの作詞、作曲センスには畏怖の念すら覚えてしまう。
次作、71年に再び強烈なロック金字塔作品「フーズ・ネクスト」を続けて発表することになるが、才能が枯れる様子の無いロック巨人達のフルボルテージな生き様は一体どうなっているのかという興味が今なおも尽きない。