VAN HALEN / 5150 / WARNER P-13285
1986年リリース 7作目 バンド初の全米チャート1位獲得。
前作の大ヒットで最高潮のパフォーマンスを発揮していた長年のボーカルフロントマン、デイヴィッド・リー・ロスがソロ作専念のため突然脱退してしまう、新たなヴォーカルにサミー・ヘイガーを招き、新生ヴァン・ヘイレン体制での今作となった。
また長年のプロデューサーでもあったテッド・テンプルマンも、デイヴィッドのソロ作を担当していたため、フォリナーのミック・ジョーンズを起用となった。
当時の流行であったAORを意識していたのか、今までのしっかりとした力強い骨太サウンドから、アルバム全体の響きが爽やかになった印象を受けるが、プロデューサーの仕事であったのだろうか。しかし、色っぽい艶のある歌声だったデイヴィッド・リー・ロスよりも、サミー・ヘイガーのすっきりとした透明のある歌声は、爽やかな響きの中に調和し、よりスタイリッシュなアメリカンロックサウンドに仕上がっている。
今作で聴ける美しいバラード曲も、デイヴィッド・リー・ロス時代には聴けなかった変化だろう。
新生としてスタートを切ったヴァン・ヘイレンであったが、周囲の心配を見事に打ち破って、文字通りの新しい魅力が詰まったバンドとして快進撃が始まった。