YES / GOING FOR THE ONE / ATLANTIC P-6533A
1977年 スタジオアルバムでは8作目 邦題は「究極」
プロデューサーはビル・イングロッド
ジャケットデザインはヒプノシス
全英チャート1位
脱退したキーボーディスト、リック・ウェイクマンが今作で再加入。
前作まではジャズ・フュージョンへの歩み寄りを見せ、即興性などを試みたが、今作では素直なロックンロールへ進化しようとするのが伺える好盤である。
冒頭曲「Going For The One」からスティーブ・ハウの南国テイストギターで驚かされるが、かなりプログレや即興性とは真逆の方向性で幕を開ける。
代表曲「悟りの境地」などパイプオルガンの導入も相まって、イエスらしい壮大なスケールを感じさせる。レコーディングスタジオが、クイーンも使用するスイス・マウンテンスタジオらしいのだが、ちょっとサウンドの質感がクイーンっぽくなっているのも気のせいなのだろうか。
シンプルにロックへのアプローチがあったためか、なかなかファンの中には評価の低いジャッジを下される方も居られるようだが、楽曲のクオリティなど十分に高いレベルの作品である。キャリアが長くなるとどうしても元来のサウンドを好むコア層と変化を受け入れるファン層との議論もなかなか興味深いものだ。
なおジョン・アンダーソン自身はイエスの中で最高傑作に挙げている。