YES / RELAYER / ATLANTIC P-8530A
1977年 スタジオアルバム7作目
プロデューサーはエディ・オフフォード
全英チャート4位
全3曲40分と長尺の構成となっており、前作の宗教的幻想物語形式というコンセプトではなく、今作は「戦争と平和」というメッセージ的かつ現実的なテーマとなっている。
「危機」でも大活躍したキーボーディスト、リック・ウェイクマンが脱退してしまい、新しく加入したパトリック・モラーツであるが、彼のジャズ志向であった要素が色濃く出ており、フリージャズ・フュージョン的なアプローチが多いのが今作の特徴である。
しかしイエスの持つ壮大さや重厚的なシンフォニックプログレを期待していた当時のファン層や評論家からは敬遠され、セールス的にも芳しくない結果に終わってしまった。
残念ながら今作限りでモラーツは脱退してしまう事となり、イエスのキャリアではジャズ用のある作品では唯一の作品となってしまった。やはりジャズ的即興性のあるイエスはバンドとしても良くないと思ってた事なのだろうか。
次作「究極」で脱退したリック・ウェイクマンが再び召集され復帰するがシンフォニック回帰の流れになる辺り、セールスチャート的にも勢いが戻る辺りにも、そういったものを感じてしまうのである。