スタイリッシュなサウンドにクリアなヴォーカルが軽快に響くシュガーベイブ。山下達郎や大貫妙子など名だたるミュージシャンが在籍していたにもかかわらず、わずかな活動期間で幕を下ろした伝説的バンドです。シティポップの第一人者であり、J-POPの礎を気付いたシュガーベイブの魅力や足跡、注目のCD買取情報について解説します。
シュガーベイブとは
1970年代の音楽シーンを語る上で避けて通ることはできない幻のバンド・シュガーベイブ。斬新なコード進行と華やかなコーラスワーク、軽やかに流れる旋律は、時を経てもなお色褪せることなく瑞々しく輝いています。
シティポップの先駆けとなり、J-POPの前史として語り継がれ、後進ミュージシャンに多大な影響を与えたシュガーベイブ。90年代に活躍したピチカートファイブやオリジナルラブなど、いわゆる「渋谷系」と称されていたミュージシャンの多くがシュガーベイブの影響を受けています。
シュガー・ベイブは、1973年当時大学生であった山下達郎を中心として結成されました。大貫妙子、村松邦男、鰐川己久男、野口明彦と共にインディーズとして音楽活動をスタートします。後に日本を代表するトップミュージシャンが揃っていた稀有なバンドであったため、結成時から楽曲のセンスや演奏力は比類なきものがありました。しかし、当時の音楽シーンは歌謡曲やブルースロック、フォークソングが全盛を極めていた時代。メッセージ色が強くインパクトのある楽曲が若者を中心としたオーディエンスに支持される中、シュガーベイブの奏でるクリアで都会的な音楽は「軟弱」と評価されることもありました。
ちなみに、シュガーベイブがデビューした1973年には、井上陽水が『氷の世界』で国内初のミリオンセラーを記録。かぐや姫の『神田川』やガロの『学生街の喫茶店』、ちあきなおみの『喝采』などが大ヒットしていました。同時期にはキャロルで注目された矢沢永吉が若者のカリスマとして人気を博していたことからも、シュガーベイブの音楽性が時代に異彩を放っていたことがうかがえます。
1975年4月には、大瀧詠一が設立したナイアガラ・レーベルからデビューアルバム『ソングス』、デビューシングル『DOWN TOWN ? いつも通り』をリリース。アメリカンポップスを彷彿とさせる華やかな旋律と爽やかなコーラスワークは、比類なきクオリティでした。しかしセールスは伸び悩み、結果として時代に調和することなくアンダーグラウンドな存在に留まっていました。
時代に即しなかったこと、同じジャンルのミュージシャンがメジャーに存在しなかったこと。この2点から音楽評論家からは的外れに評価され、オーディエンスからもいわれなき中傷を数多く受けました。
結果として、デビューアルバムがラストアルバムとなり、シュガーベイブは1976年に解散。その後、山下達郎を筆頭とした各メンバーは日本の音楽シーンを席巻し、日本を代表するトップミュージシャンとしてその名を馳せました。
デビューが10年遅ければ時代の寵児となっていたであろうシュガーベイブ。その卓越した楽曲群は、世代を超えて多くのオーディエンスの心に刻み込まれています。
シュガーベイブの人気CDの特徴
シュガーベイブの人気CDの特徴は、より完品に近い製品です。具体的には、帯やライナーノーツなどの付属品の有無が買取額に影響を与えます。特にマニアやコレクターが注目しているアイテムは帯です。しかし帯はCD販売促進のために付けられているため、帯に対する価値を考慮せずに処分してしまうリスナーも少なくありません。また、現存している場合でも、傷や汚れ、破損や折れなどが付いている場合が多く見られるので、帯の状態の良さも買取価格を左右してきます。シュガーベイブは『SONGS』のみしかCDで発売していないことからも、状態の良さがさらに問われるアーティストと言えるでしょう。
買取市場で注目されているシュガーベイブのタイトルを紹介
シュガー ベイブ『SONGS 』/ WPCV-10029
シュガーベイブ唯一のタイトル『SONGS』は、シティポップの先駆けと称される超名盤です。シャープにクリアに響き渡る一つひとつの音と、ハイスペックな高音圧がリスナーを虜にしています。プロデュースとエンジニアは、はっぴいえんど時代から交流があった大瀧詠一です。ポップミュージックに長けた大滝詠一らしい無駄のない洗練されたバンドサウンドを生み出しました。
クオリティの高い楽曲群は、現在のインディーポップやハウスミュージックなどの音楽ジャンルに多大なる影響を与え、後進ミュージシャンのバイブル的存在として今なお高く評価されています。
ノスタルジックなタッチで描かれているジャケットの老夫婦は、ジオラマアーティストである金子辰也氏が手掛けました。デザインの元となっているのは、フランスの小説家・アンドレ・モーロワ氏の著作『パリの女』に、オランダの写真家であるニコ・ジェス氏が添付した写真です。
J-POPの礎を築いたシュガーベイブ
シュガーベイブのデビューは1973年。時期尚早に登場したミュージシャンで、時代に合わず日の目を見ることがありませんでした。しかし解散後その評価は高まる一方で、J-POPの礎を築いたハイクオリティな楽曲群で幅広い世代のオーディエンスを魅了しています。価値あるシュガーベイブのCDが押し入れの奥で眠っていませんか?もしご不要のシュガーベイブのCDがあれば是非エコストアレコードまでご相談ください。
※本サイトに掲載されている記事の著作権はFTF株式会社に帰属します。投稿した記事のリライトの可能性が高い場合は顧問弁護士と協議の上、即日中に法的な処置を行います。