スコーピオンズ(Scorpions)とは、ジャーマンロックの黎明期から活躍していたバンドです。ハードロックやヘヴィメタルに大きな音楽的影響を与えたバンドとして、世界的に知られています。2022年までに30枚のアルバム(スタジオアルバム19枚、ライブアルバム5枚、カバーアルバム2枚、ベストアルバム4枚)を発表しました。現在でもスコーピオンズの人気は高いです。買取の現場でも人気がある作品が数多くあります。
スコーピオンズとは
スコーピオンズは1965年にルドルフ・シェンカー(Rudolf Schenker)が中心となり、西ドイツで結成したバンドです。後にギタリストである弟のマイケル・シェンカー(Michael Schenker)とヴォーカルのクラウス・マイネ(Klaus Meine)をメンバーとして迎え入れ、第1期スコーピオンズが誕生します。
スコーピオンズは1972年「恐怖の蠍団(Lonesome Crow)」でデビューします。当時まだ10代であったマイケル・シェンカーのギター演奏は高く評価され、スコーピオンズの名前は西ドイツ国内に一気に知れ渡りました。しかし、マイケル・シェンカーがUFOに移籍することになったうえ、ベースのローザー・ハインベルグ(Lothar Heimberg)とドラムのウォルフガング・ズィオニー(Wolfgang Dziony)が立て続けに脱退したことで、やむなく活動休止となりました。
1974年にバンドは、ギターにウルリッヒ・ロート(Ulrich Roth)、ベースにフランシス・ブッフホルツ(Francis Buchholz)、ドラムにヨルゲン・ローゼンタル(Jurgen Rosenthal)をむかえ、「電撃の蠍団(Fly To The Rainbow)」を発表し、新しい体制でスタートします。この時期のスコーピオンズはウルリッヒ・ロート(後のウリ・ジョン・ロート Uli Jon Roth)の驚異的なギターテクニックを前面に出し活動しました。なお、この時期のサウンドがスコーピオンズの基礎となったといわれています。
スコーピオンズは北欧を手始めにツアーを開始し、徐々にその名前を世界に広げていきます。1975年「復讐の蠍団(In Trance)」、1976年「狂熱の蠍団~ヴァージン・キラー(Virgin Killer)」、1977年「暴虐の蠍団(Taken By Force)」とバンドを代表する作品を次々と発表しました。1978年には来日し、その際の音源をライブ・アルバム「蠍団爆発(Tokyo Tapes)」として発表しています。一見すると順調な成長を遂げているように見えたスコーピオンズでしたが、考え方の違いからウルリッヒ・ロートが脱退しました。これによってスコーピオンズはまたメンバー探しに奔走することになります。
1980年代、スコーピオンズは大きな商業的成功を得ました。アメリカ・イギリス・ドイツ・日本と世界中をツアーしながら、いくつも有名作品を作りあげています。そして1989年の冷戦末期、スコーピオンズは歴史的なライブに出演します。それが当時のソビエト連邦で開催された「モスクワ・ミュージック・ピース・フェスティバル・1989(Moscow Music Peace Festival 1989)」です。このライブによって、西欧文化に閉鎖的であったソビエト連邦において、ロック音楽が公開の場で演奏されました。これは、主義主張や国家の垣根を超えた偉大な業績として、現在でも語り継がれています。
その後、2010年に「蠍団とどめの一撃(Sting in the Tail)」をラストアルバムにして、スコーピオンズは解散を発表しました。しかし、2014にはこれを撤回し、バンドの活動が継続することが決まりました。
スコーピオンズの魅力は、それぞれのアルバムが持つ時代感です。現在でこそヘヴィメタルやハードロックとして認知されているスコーピオンズのサウンドですが、1970年代にはそのジャンルは確立されていませんでした。時代を経るとともにそのサウンドは次々に進化していきます。また、マイケル・シェンカーやウルリッヒ・ロートといったギター史に燦然と名前を残すギタリストが参加しているのも、スコーピオンズの魅力でしょう。
スコーピオンズのCDで買取り人気が高い作品の特徴とは
スコーピオンズの作品はバンド初期から1980年代に発表されたものが特に人気があります。その中にはジャケットや楽曲の差し替えがされた作品が複数あります。そのため、初期ロットの状態を再現している作品を求める人が多いです。もちろん、外カバーが割れておらず、ディスクの状態がよいほど、その価値は上がりやすいといえます。歌詞カードや帯といった付属品がついていれば、一層のこと買取価値が高まるでしょう。
買取り人気が高いスコーピオンズ作品
「狂熱の蠍団 ヴァージン・キラー(Virgin Killer) / BVCP-7375」
1976年に発表された本作品は、そのアートワークが問題となり、スコーピオンズメンバーが写ったアートワークに差し替えになりました。ですが、1995年の再発盤が登場するまで、日本で発売されたCDはオリジナルアートワークが用いられていました。現在では差し替えられたバージョンとなっているため、今回紹介するオリジナルアートワークのCDは希少性が高くなっています。しかし、当時ギタリストを務めていたウリ・ジョン・ロート(ウルリッヒ・ロート)はこのアートワークについて「本当に酷かった」とコメントを残しています。
とはいえこの作品は、ウリ・ジョン・ロートの神業ともいえるギター技術に興味がある人にとっては、その技術を深く分析できるアルバムとして評価が高いです。
「蠍団爆発!! スコーピオンズ・ライヴ~トーキョー・テープス (デラックス・エディション) 完全生産限定盤 Blu-spec CD2 / SICX30011」
「蠍団爆発(Tokyo Tapes)」は日本で演奏されたということもあり、コレクターアイテムとして欲しがる人もいる作品です。このアルバムは、アルバム未収録曲「オール・ナイト・ロング(All Night Long)」から始まる変わったセットリストや、「荒城の月」「君が代」といった日本人なら誰しもが聞いたことのある楽曲が収録されていることでも有名です。また、ウルリッヒ・ロートがスコーピオンズで演奏した最後のアルバムとしても知られています。
「トーキョー・テープス」は、1978年に中野サンプラザでのライブを録音した音源を元に作られた、スコーピオンズにとって初のライブ・アルバムです。
「クレイジー・ワールド(Crazy World)Deluxe Edition(CD+DVD) / 3736604
シングル曲の人気チャートであるビルボードホット100(Billboard Hot100)に好順位でランクインした名曲、「ウィンド・オブ・チェンジ(Wind of Change)」(4位)、「センド・ミー・アン・エンジェル(Send Me an Angel)」(44位)が収録されているアルバムです。1990年にリリースされた本作品は、全世界で7百万枚以上の売り上げを見せました。
今回紹介するバージョンは、2013年に再発盤として販売されたものです。「クレイジー・ワールド・ ツアー・ライブ1991(Crazy World Tour Live 1991)」のライブ映像が10曲、「ウィンド・オブ・チェンジ」「センド・ミー・アン・エンジェル」を含む4曲のPVが収録されているDVDが付属しています。
ヘヴィメタル・ハードロックの黎明期から続くバンド「スコーピオンズ」
スコーピオンズは、まだロックのジャンル分けが進んでいない時代から活躍し続けているバンドです。スコーピオンズは後のヘヴィメタルやハードロックバンドの先駆け的存在であるといえるでしょう。アルバムには名盤が多いため、そのCDは市場での需要が高いです。もし、聞かなくなったスコーピオンズのCDがあるなら、買取りに出してみませんか。買取のお申し込みをお待ちしております。
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