ジャズアーティストのレコード買取では、アート・ブレイキー(Art Blakey)の作品もご依頼をいただきます。
ブレイキーはブルーノート等、有名なレーベルで大活躍した人気ドラマー。彼は数え切れないほどのモダンジャズ作品に参加しました。名盤と呼ばれ、高い評価を与えられたアルバムにはブレイキーの名が記されたものをよく見かけます。
中古レコードの買取においても彼の人気は例外ではありません。中には高い金額での売却も可能な、貴重な作品もあります。
それでは、アート・ブレイキーとは一体何者なのか?買取専門店エコストアレコードがあなたのためにご紹介しましょう。
文:福田俊一(Ecostore Records)
偉大なるジャズアーティスト、アート・ブレイキーとは
アート・ブレイキーは1919年、米国ペンシルベニア州生まれのジャズアーティスト。初めはピアノを演奏していましたが、後にドラマーへと転向。1944年に歌手ビリー・エクスタインの楽団に加入。その後、チャーリー・パーカー、セロニアス・モンク、マイルス・デイヴィスらと共に演奏するように。1954年、ホレス・シルヴァーと共に自身のグループにジャズ・メッセンジャーズと名付け活動するようになります。しかし、数年後にはシルヴァーが脱退し、グループのメンバーは時代とともに移り変わってゆきました。
1958年にブルーノートから発売された、ボビー・ティモンズ作曲の「Moanin’(モーニン)」を収録したアルバム『Art Blakey & The Jazz Messengers』は大ヒットを記録。今でもモダンジャズの作品では1位、2位を争うほどの大人気盤です。
また、ブレイキーは大の親日家としても有名。そのキッカケとなったのは1961年の初来日公演。当時、本国では黒人はまだ不当な人種差別を受けていた悲しい時代。そんな中、日本で行われた公演ではブレイキーはスター扱いをされたうえに、観客からはサインや写真をねだられました。ステージでは大きな歓声に包まれたバンド一行は最高の時間を過ごしました。ブレイキーはじめ、人種差別がない日本でメンバーは大きな感動を覚えたと言われています。
偉大なるドラマー、アート・ブレイキーは晩年には視力・聴力の低下に悩まされ、1990年、肺がんのためこの世を去りました。71年の人生でした。
高く買取される、アート・ブレイキーの名作レコード作品
The Jazz Messengers / At The Cafe Bohemia Vol.1(Blue Note, 型番:BLP 1507)
1955年録音、1956年発表。
ケニー・ドーハム、ハンク・モブレー、ホレス・シルヴァー、ダグ・ワトキンス擁する初代ジャズ・メッセンジャーズによる、ニューヨークのジャズクラブ「カフェ・ボヘミア」でのライブ録音アルバム。同日1日分のセッションはVolume 1とVolume 2というLP2枚分に分けられリリース。
ドーハム作の人気曲「マイナーズ・ホリデイ」の他、「アローン・トゥゲザー」などを収録。オーディエンスが拍手するなか、メンバーがステージ上で汗を飛び散らせて熱い演奏し、録音当日の活気が伝わってくる一枚。
発売から65年も経過しているため、未だに良好な保存状態で残っているものは非常に珍しい存在。希少なオリジナル盤で、なおかつ綺麗なものであれば高額での買取は間違いありません。
Art Blakey & The Jazz Messengers / Drum Suite(Columbia, 型番:CL 1002)
1957年発表。
本作は、A面で2人のパーカッション奏者、キャンディドとサブー・マルティネスを迎えての録音を。B面ではアルトサックスの名手ジャッキー・マクリーンらを率いて繰り広げられたハードバップ・セッションを収録。
アート・ブレイキーが1950年代~60年代に熱心に探求したのは打楽器のアンサンブルを前面に押し出したジャズ。ほぼ同時期にブルーノートでレコーディングした『オージー・イン・リズム Vol.1&2』、そしてその翌年の吹き込み『ホリデイ・フォー・スキンズ Vol.1&2』もパーカショニストを迎えた本作と同じ系統の作品。
古い年代のジャズにもかかわらず、若い世代を中心に盛り上がるクラブシーンの音楽にも大きな影響を与えたアルバムです。
Art Blakey & The Jazz Messengers / S.T.(Blue Note, 型番:BLP 4003)
1958年発表。
言わずと知れたアート・ブレイキーの代表作。1曲目「モーニン」があまりにも有名なため、アルバム名が単にモーニンと呼ばれることもあります。収録曲はスタンダード曲「カム・レイン・オア・カム・シャイン」以外、すべてオリジナル楽曲なのもブルーノートらしいところ。
当時から大きなヒットを記録し、アメリカ盤としてもこれまでにも幾度となく再発された名盤。日本盤でも何度も再発されました。買取で最も価値が高いとされるものはアメリカ盤の初版となります。
当店ではこちらの状態良好なオリジナル盤を35,000円で買取しています。
Art Blakey’s Jazz Messengers / Les Liaisons Dangereuses 1960(Fontana, 型番:680.203 ML)
1960年発表。
1959年製作のフランス映画、ロジェ・ヴァディム監督作品『危険な関係』のオリジナル・サウンドトラック。ボビー・ティモンズ、リー・モーガン、ジミー・メリットという当時のメンバーに加え、フランス人サックス奏者バルネ・ウィランを迎えてのレコーディング。雰囲気たっぷりの楽曲が並びますが、中でもピアニスト、デューク・ジョーダンが作曲した「危険な関係のブルース(No Problem)」が有名。
後にアメリカや日本でもレコードが発売されましたが、オリジナル盤となるのはフランス盤。従って、こちらの作品の買取で最高額となるのはフランス盤のオリジナルです。
Art Blakey & The Jazz Messengers / S.T.(Impulse!, 型番:A-7)
1961年発表。
こちらはコルトレーンの諸作品でも人気が高いレーベル、インパルスからリリースされた1枚。フロントにリー・モーガン、ウェイン・ショーター、カーティス・フラーを据えた3管編成のジャズ・メッセンジャーズ。
ハウスドラマーとして大活躍したブルーノートの作品に多数参加したブレイキー。本作はその陰に隠れがちですが、その内容の良さは言うまでもなくピカイチ。内容の素晴らしさからも高い人気を誇ります。
Art Blakey & The Jazz Messengers / 3 Blind Mice(United Artists, 型番:UAJS 15002)
1962年発表。
脂が乗り切ったブレイキー率いるジャズメッセンジャーズがハリウッドで演奏したライブ録音作品。ピアニスト、シダー・ウォルトンのアレンジも最高なスタンダード曲「ザット・オールド・フィーリング」など収録。
アート・ブレイキーのレコードを高く売りたいならエコストアへ
アート・ブレイキーはジャズ界随一の名ドラム奏者。彼の存在はジャズファンに強く印象付けられていますし、その巧みなテクニックに魅了された人は多くいます。その人気により需要も高く、これまでにも数多くの再発盤が市販されたことでオリジナル盤の価値は毎年高まっています。
しかし、オリジナル盤は発売から半世紀以上経っているため、その長い年月の中で残念ながら大きく劣化しているものがあるのも事実。キズもあればホコリを被ったものもあります。だからこそ、状態が綺麗なブレイキーのレコードがまだ残っているのであれば、まさにお宝のような存在だといえます。高価買取にも繋がるでしょう。
もう聴くこともないなら、いっそのこと売ってお金にしてみませんか?
ジャズに詳しい中古レコード買取専門店エコストアレコードは貴重な作品を高く買取しています。レコード人気が高まっているまさに今こそ売り時です。
お客様からの買取のご依頼をお待ちしております。
筆者: 福田俊一(ふくだ・しゅんいち)
FTF株式会社 制作部/販売部兼務。買取部門のコラムやnoteのほか、販売部門の特集コラムを執筆。大学卒業後にレコード収集に興味を持ち、約15年かけてジャズレーベル、ブルーノートの(ほぼ)すべてのLPをオリジナルで揃えた。
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