ヒップホップ(Hip Hop)が大好きでレコードを集めているコレクターもたくさんいます。ただし、レコード買取・レコードを売るとなると詳しいことはあまり分からないという方も多いはず。
「ヒップホップのレコードは売るにしても何処に売ればいいのだろう?」「ヒップホップのレコードはどのようなものが高くなる?」
今回のコラムでは、クラブ・ミュージックの中でも安定した人気があるヒップホップというジャンルにスポットライトを当てて、レコード買取ではどのような傾向があるのかについて解説してみたいと思います。
ヒップホップって、何?
ヒップホップは、1970年代に米国ニューヨーク州ブロンクスで産声を上げた比較的新しい文化です。ヒップホップは若い世代の人々を虜にしながら、現在でも世界中の若者を中心に高い人気を誇っています。
ヒップホップ文化の特徴として、
①ラップ、②DJ、③ブレイクダンス(ストリートダンスのこと)、④グラフィティ・アート(スプレーなどを用いて壁などに絵を描くこと) の4つの要素があります。
音楽のレコードにおいてのヒップホップというのは、もちろんラップとDJのことです。
ソウルやファンクなどの音楽をDJがスクラッチしたりして、器用にドラムの演奏の部分だけをループさせたりしました。そのテクニックのことをブレイクビーツといいます。著名なDJである2人、「DJ Kool Herc(クール・ハーク)が発明した」、「Africa Bambaataa(アフリカ・バンバータ)が発明した」など諸説あります。
また、そのビートに合わせてラップすることでヒップホップミュージックは大きな盛り上がりを見せてきました。
MC(ラッパー)は巧みな言葉選びで韻を踏みながらストーリーを展開しつつ、なおかつリズム(フロウ)をも大切にしなければならないので、ラップとひとことでいっても決して単純なものではなく高度な技術が求められます。
ヒップホップのレコードは大まかに分けて、LPと12インチシングルがある
中古レコード市場で多く売買され取引されているヒップホップのレコードには大まかに分けて2種類のものがあります。
LPレコード
ひとつはLPといわれるアルバム作品です。アルバムには何曲も収録されていて、レコードが2枚組仕様で発売されるものもかなり多くあります。クラブでDJがレコードをかけますが、実はレコードというのは1枚の円盤に音溝をぎっしりと詰めて刻むよりも、1枚の盤面を幅広く使って音溝を刻んだほうが再生した時にかなり音に迫力が出るものです。その結果、CDが主流の時代の音楽であるヒップホップは収録される時間も1時間ほどと長いため、レコードの組枚数としては2枚組になることもあります。元々 収録曲数が多い作品で、音質にもこだわった仕様のアルバムには、3枚組や4枚組で発売された豪華な仕様のレコード作品もあるほどです。
12インチレコード
ヒップホップのレコードで多いもうひとつの種類は12インチシングルと呼ばれるものです。これは一曲しか収録されていない文字通りのシングル盤で、古い他の音楽ジャンルでは7インチレコードで発売されるものですが、ヒップホップではさきほどの音質の理由などから12インチというフォーマットでリリースされるのが大多数となっています。(ただし、稀に7インチシングルで発売された曲もあり)
12インチレコードの魅力としては、インストルメンタル・ヴァージョンやアカペラ、リミックスヴァージョンなどが収録されているものが多くあることです。気に入っている曲であれば所有する喜びも感じられるでしょうし、同じ曲の色々な面を知ることができるのでもっと気に入るのではないでしょうか。
因みに、ヒップホップのアルバム(LP盤)も12インチシングルもどちらも同じ大きさのレコードです。
ヒップホップのレコードのオリジナルかどうか、鑑定の仕方のヒミツ教えます
中古レコード店などで商品の値札に【US-ORIGINAL】(アメリカ盤オリジナルという意味)などと記載されたものを見かけたことはありませんか?ロックやジャズのレコードのように、ヒップホップであってもやはりオリジナル盤(初版)がより高価になります。どんな音楽ジャンルのレコードであれ、オリジナルの貴重さは揺るがないもの。物にもよりますが、「オリジナル」であれば「再発盤(リイシュー)」と比べて、ほとんどの場合では高い金額で買取されることでしょう。
ヒップホップのレコードをオリジナルか否かと鑑定するには、実は意外にも深い知識と経験が必要です。ヒップホップであっても再発盤は多く存在します。
ここで、あなたが所有しているレコードがオリジナルかどうか見極めるポイントをいくつか伝授してみることにします。
①ラベルの色、デザイン
他の音楽ジャンルのレコードと同じように、再発されるとレコード盤のラベルの色が変わったりデザインが変わったりすることがあります。例えば、「オリジナルのレーベルは赤だったのに対して、再発盤のレーベルは白になった」などのようなことがあります。それらのデザインの変遷は時代や作品、レーベル(会社)によっても異なります。今は便利な時代になり、インターネットでレーベルデザインの移り変わりも楽に調べられるようになったので試しに実物と見比べてみても興味深いものです。
②デッドワックスを見る
デッドワックスと呼ばれるレコード盤の内周部、音が記録されていない内側も参考にしてみましょう。
一例としてSpecialty Records Corporation(以下SRC)というものを紹介します。SRCは米国ペンシルベニア州にあった当時世界最大級のレコードプレス工場でした。扱った音楽ジャンルも多岐にわたり、その工場で製造されたヒップホップのレコードもとても多くあります。
SRCでプレスされたレコード盤のデッドワックスには、S R Cという3文字が見て取れる刻印があります。これをSRC刻印などと呼びます。つまり、「このプレス工場で作られたオリジナルにはこの刻印があり」、「後の時代に他の工場で作られた再発盤には無い」といった見極め方もできるのです。ただし言うまでもありませんが、この鑑定方法はSRCが製造したレコード作品に限りできるのであり、元からこの工場で製造されてはいない作品には応用できない方法ではあります。
※レコード内周部にある「SRC刻印」と呼ばれるもの
※DMM(ダイレクト・メタル・マスタリング)刻印の有無も参考になる
③レコード盤の組枚数なども参考に
また、オリジナル鑑定の基礎的な知識のひとつとしてオリジナルが当時何枚組で発売されていたのかを知ることも必要です。
例えば、日本でも人気なSlum Villageというデトロイトのヒップホップグループが2000年に発表した彼らのセカンドアルバム『Fantastic Vol.2』という作品は、レコードとしては当初3LP(3枚組)でリリースされました。しかし、UK盤や再発盤、ブートレグ(海賊版)は2LP(2枚組)の仕様で発売されたこともヒップホップファンなら知っている方も多くいる知識です。つまり、この作品に関していえば3LPであればオリジナルの可能性が高いということです。
ヒップホップのレコードにはキズがあるものが多い?
ヒップホップのような俗に言う”クラブ系”のレコードには、その文化からどうしてもありがちな特徴があります。それは保存状態が素晴らしいものがどちらかというと少ない傾向にあることです。
ヒップホップにはそもそもDJをする文化がありますから、必ずという訳ではありませんが、ヒップホップのレコードにはキズが見受けられるものが多くある印象です。キズが目立つようなレコードには、中古レコード買取ではあまり積極的に高価な値段が付けられません。
しかし逆の見方をしてみれば、あなたが持っているヒップホップのレコードにキズも付けていない美品であって、それに加えて稀少な作品・人気タイトルであれば高額で買取される可能性も大いに期待できるでしょう。
エコストアレコードはヒップホップのレコード買取の経験が豊富!
今回のコラムではヒップホップ・ミュージックを中古レコード買取という側面から考えてみましたがいかがでしたか?
ヒップホップのレコードももちろん今も非常に高い人気を集めています。多くの中古レコード店にもヒップホップのコーナーもありますし、コアなファンもたくさんいます。
当店エコストアレコードは中古レコード買取専門として長い年月のなかで培ってきたヒップホップのレコードを”買い取る”実績も経験も十分にあります。また、それと同時にヒップホップのレコードを”販売する”実績も経験も、独自のノウハウもあるのです。ヒップホップに詳しい査定スタッフがいることも強みの一つであることは間違いありません。
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