モダンジャズ界 偉大なるベース奏者、チャールズ・ミンガス(Charles Mingus)の魅力と買取市場で注目のレコードについて解説

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モダンジャズ界 偉大なるベース奏者、チャールズ・ミンガス(Charles Mingus)の魅力と買取市場で注目のレコードについて解説

モダンジャズ界 偉大なるベース奏者、チャールズ・ミンガス(Charles Mingus)の魅力と買取市場で注目のレコードについて解説

更新日:2023年1月6日

ノスタルジックでロマンティックな旋律、時に荒波のような激情がほとばしるチャールズ・ミンガス(Charles Mingus, Charlie Mingus)。モダンジャズのパイオニアとしてその名を馳せ、独自の世界観を生涯において貫き通したジャズ・ミュージシャンでした。買取市場で人気を集めているチャールズ・ミンガスのレコードと共に、濃密すぎるサウンドと同様の深く濃い彼の生涯にスポットを当ててみます。

 
 

チャールズ・ミンガスとは

 


 

独創的でパワフル、濃密な重厚感あるサウンド。時にロマンティックで優雅な旋律が重なり合うチャールズ・ミンガスが奏でる楽曲は、独特な音質と旋律にワンフィンガー奏法の短くも重たいサスティンがプラスされ、説得力あるフレーズと共に数多のオーディエンスを魅了してきました。

1943年、チャールズ・ミンガスはルイ・アームストロングのバンドで音楽活動をスタートしました。1956年には初期の傑作「直立猿人」をリリースし、ジャズを音としてだけではなく言葉でも表現するようになります。当タイトルでは、人類の愚かさと悲しさをアイロニーを込めて表現しました。1959年には「直立猿人」と並称される名盤「Mingus Ah Um」をリリース。収録曲である「フォーバス知事の寓話」では、黒人差別主義者であったアーカンソー州知事を辛らつに批判しました。翌年リリースされた「Mingus Presents Mingus」にも「フォーバス知事の寓話」を再び収録し、自身がヴォーカルをとることにより濃密なメッセージをリアルに表現しています。

1977年には、「真のフュージョン」「ジャズの金字塔」と高く評価された「Cumbia and Jazz Fusion」をリリース。Cumbia(クンビア)という伝統的なコロンビアのダンス音楽とジャズをベースに、新たなジャズの可能性を切り開いた傑作でしたが、チャールズ・ミンガスにとって最後の作品となってしまいました。当タイトルを発表したころから、チャールズ・ミンガスは体の筋肉が徐々に痩せていく筋萎縮性側索硬化症という難病に罹患してしまいます。程なく車椅子生活を余儀なくされ、ベースを弾くことが困難な状態となり、1979年には病が原因で56歳という若さで偉大なる人生の幕を閉じました。

カナダのシンガーソングライター、ジョニ・ミッチェルは当時ミンガスへのトリビュートアルバム「ミンガス」を制作していました。チャールズ・ミンガスもレコーディングに立ち会っていた作品でしたが、完成したアルバムを手にすることはできなかったのです。当タイトルは、1979年に追悼盤という形でリリースされています。

人種差別反対活動に尽力し、作品中でも自身の想いを表現してきたチャールズ・ミンガス。ハード・バップやゴスペル、クラシックの要素を携えたサード・ストリームなど多様な音楽を吸収し、時には「トゥ マッチ」「怒るベーシスト」と批判的に評価されたこともありました。しかし、見事に昇華した楽曲群は彼の根幹を成してきた差別への想いを物語るかのように後世に聴き継がれています。

 
 

チャールズ・ミンガスの人気レコードの特徴

 

チャールズ・ミンガスの人気レコードの特徴は、アメリカ・アトランティックのプレスです。初期の代表作である「直立猿人」はそのジャケットのインパクト、タイトルのインパクトもあり注目されています。その他には、「ミンガス・アット・モンタレー」などのレコードも注目のラインナップです。国内盤・帯付のタイトルも人気があるため需要が高く、帯の有無によっても買取価格は大きく異なってきます。

 
 

チャールズ・ミンガスの人気タイトルの紹介

 

ミンガス・アット・ザ・ボヘミア Mingus At The Bohemia, Debut 型番:DEB 123

1956年発表作品。初期の熱いサウンドが凝縮した名盤「直立猿人」の録音直前に、ニューヨークのジャズクラブ「カフェ・ボヘミア」で行なったライヴが収録されているアルバムです。チャールズ・ミンガスにとっては初となるレギュラー・バンドで録音されたサウンドは、独特の迫力とそれぞれの音がぶつかり合うような熱量を携えています。

オスティナートを奏でるベースラインが魅惑的な「Jump Monk」をオープニングとして、独創的なアレンジのアンサンブルが織りなすシンコペーションが非常にパワフル。様々なジャンルの音楽に造詣が深いチャールズ・ミンガスならではの深く濃い世界観を堪能できる一枚です。

 
 


直立猿人Pithecanthropus Erectus, Atlantic 型番:1237

アメリカのレコード・レーベル「アトランティック」からリリースした当タイトルは、アルト・サックスにジャッキー・マクリーンを迎え、個性あふれる強力なメンバーで制作した渾身の一枚です。当時チャールズ・ミンガスはジャズ・ベーシストとして活躍していましたが、当タイトル以降、作曲家およびバンド・リーダーとしての才能を開花しました。

「直立猿人」と言うタイトル名には、人類の進化を風刺している彼のアイロニーが込められています。直立猿人は4部構成の組曲となっていて、「Evolution(進化)」から「Superiority Complex(優越感)」、そして「Decline(衰退)」「Destruction(滅亡)」へと激しくも緻密に、そして完璧なる計算のもと楽曲は変遷していきます。ジャズという音楽に文学という芸術をプラスした名盤として、リリース当初から高い評価を受けた名盤です。

 
 

偉大なるジャズの巨匠・チャールズ・ミンガス

 

偉大なるジャズの巨匠・チャールズ・ミンガスは、多様な楽曲を見事に調和させ独自の世界観を表現してきました。その楽曲群は彼の人生を象徴するかの如く、優しさと激しさを携えた濃密すぎる空間を創造しています。そんなチャールズ・ミンガスの名盤がタンスの奥に眠ってはいませんか?もしご不要のチャールズ・ミンガスのレコードをお持ちなら是非エコストアレコードまでご連絡ください。

 
 

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