「和モノ」と呼ばれ人気が高まっているレコードを知ってますか?実は買取にも関係があるんです。はたして、和モノとは一体何なのでしょうか。和モノ(和物とも書く)とは、その呼び名からもわかる通り邦楽のこと。レコードや音楽業界では、日本の音楽のことを親しみを込めて表す言葉です。特に、レコードを収集する若い世代にとっては、親世代が当時聴いた邦楽を身近に感じるために呼ぶ愛称ともいえます。
「和モノとはいったいどんなもの?」「どんな和モノのレコードが高価買取されているの?」。和モノ高価買取レコードはあなたがお持ちのものにもあるかも。
我々にとって最も親しみのある音楽=邦楽において、どんなレコードが和モノと呼ばれ高額になっているのか、今回の買取コラムではその和モノのヒミツについて解説してみます。
文:福田俊一(Ecostore Records)
和モノと呼ばれ、再評価されている邦楽
昭和の邦楽がいま若い世代の日本人と海外の音楽ファンを中心に再評価されています。現在はスマートフォンが普及したことなどにより、インターネットがまさに手元にいつでもある恵まれた環境に我々はいます。いつでも手軽にネットで色々な情報を知れる便利な世の中になり、今まで以上に音楽的な流行も広がりやすくなっています。
人気ミュージシャンがネット記事で紹介した音楽作品や、著名なDJがインターネット配信でかけたレコードも当然のように世界中で多数の人の心掴むのです。また、ネットさえあればいつでも視聴できる動画共有サービスも非常に大きい存在です。好きな音楽を検索すれば昼であろうと夜であろうといつでも見れますし、同じ傾向を持つ別の音楽をサイトが自動で分析してあなたへお勧めしてもきます。
今の時代はインターネットの影響で、いままで遠いもののように感じていた音楽さえもかなりぐっと身近になりました。
和モノの代表格ジャンル、シティポップ
近頃、シティポップ(City Pop)という音楽ジャンルが非常に高い人気を集めています。シティポップという言葉は聞いたことがあるという方もきっといらっしゃるでしょう。
シティポップとは、1970年代の終わりから80年代に日本で流行った洗練された都会的な印象を持つポップミュージックのことです。当時 AORと呼ばれ、若者の心をがっちり掴んでいた音楽のことです。まさに流行していたその時代にはシティポップという呼び名はよく耳にすることはありませんでしたが、この音楽的なイメージ・傾向を持つ曲が90年代にDJたちによって”発掘”されてゆきました。2010年辺りには、ディスコサウンドの音楽が世界的な盛り上がりを見せていたことも相まって、その要素を色濃く持つシティポップの曲も再評価されてゆきました。
また、シティポップが世界中で音楽ファンから熱い注目を集めだすなか、日本のファンだけでなく海外にもシティポップのレコードを収集するアナログ愛好家が増えてゆきました。インターネットでのオークションでそれらのレコードを入手するだけでなく、はるばる海外から来日し、日本の中古レコード店を訪れて自分の手で買い集める熱心なファンも実は多くいるのです。
吉田美奈子 / TOWN(ALFA、型番:ALR-12001)
82年発売。元々帯なし。片面1曲ずつを収録したシングル曲レコード。高い人気を誇る一方でなかなか市場に出回らない非常に珍しい1枚。 ディスコサウンドなどを取り入れた彼女の人気盤。
当店ではこちらのレコードのジャケットに多少の使用感が見受けられるものを5,000円で買取しました。
シリア・ポール / 夢で逢えたら (NIAGARA、型番:LX-7017-E)
大瀧詠一がプロデュースし、山下達郎がアレンジを担当。その他 豪華なメンツも参加の和モノ大名盤。
当店ではこちらのレコードの良い保存状態のものを12,000円で買取しました。
昭和歌謡曲だって、探し求めている人は増えている!
和モノ人気はなにもシティポップだけではありません。若い世代の人たちは「昔 大ヒットした曲だから…」とか、逆に「あまり人気がなかった歌手だったから…」というような考えは一切持ってはいません。良い曲は良い!と正当に評価するだけでなく、今まで人気がなかったものであってもその曲を楽しむことに大きな価値を見出しているのです。
レコード愛好家が大好きなこととはプレーヤーで再生してその音質を楽しむだけでなく、本やインターネットなどで知って気に入った曲のレコードを店やネットで血眼になって探したりすることや、あまり有名にはなっていない曲を自分自身でその魅力を見出して”発掘”することに喜びを感じるのです。
ネット上で気に入った曲を聴こうと思えば、検索すればすぐに聴けます。または、ものの数分でダウンロードもできるでしょう。レコードは片面の再生が終わればひっくり返してもう片面を再生する手間があるのはもちろん、ダウンロードとは異なりレコードそのものを持っていなければそもそも音楽を楽しむことはできません。
そのようなレコードのある種 ”不便” なところも、今の便利すぎる時代にもレコードが人々を虜にし続ける素晴らしい点のひとつで、手間と労力とお金を費やして貴重なレコードを入手し、ゆっくりと時間をかけて聴くことが愛好家にとっては何よりもの幸せなのではないでしょうか。
朱里エイコ / AH SO! (REPRISE、型番:L-1238R)
75年発表。古くから和モノの人気盤として知られる「AH SO!」は、2度の渡米を経た後に産み出されたダイナミックなファンキー・ソウル。朱里の洋楽志向を色濃く反映しつつ、爪弾かれる三味線にパッションまで映し出す、これぞ”和モノ”なフロアキラー曲です。
当店ではこちらのレコードの保存状態が若干劣るものを3,000円で買取しました。
アパッチ / 宇宙人ワナワナ(CBS/SONY、型番:06SH 568)
79年発売。アイドルグループ アパッチの6枚目のシングル曲。名アレンジャー矢野誠が作編曲を担当。ピコピコという電子音、不可解な歌詞に加えてそのディスコサウンドに魅了されるファンも多い。とても希少な作品でもあります。
当店ではこちらのレコードの状態が良いものを5,000円で買取しました。
その邦楽のレコード、高額になっているかもしれません
今回のコラムでは和モノ人気を簡単にご紹介しましたが、このブームはあなたが想像する以上に大きなもので、信じられないかもしれませんが世界中に熱狂的なファンを持つ歌手のレコードも中にはあります。
山下達郎のレコードがその最たるものと言えます。彼のミュージシャンとしての素晴らしさにも時代がやっと追いつき、多くの人が彼の魅力に気付きだし、国内だけでなく海外のファンの耳を満足させ心を掴んで離しません。山下達郎の人気は彼の中古レコード作品の価格にも顕著に反映されています。数年前は数百円で中古レコード店に並んでいた作品も、和モノ・シティポップブームによって今は1万円を超える金額ものも出てきました。
数年前であれば、中古レコードの買取でそれこそ二束三文にしかならなかったものであっても、現在であれば買取額の相場が数百円もしくは数千円になっているものもざらにあります。いままで捨てるしかなかったようなレコードであっても、音楽ファンにその価値を認められたことにより今なら思っていたよりもはるかに高価な金額になることもあるでしょう。
ご自宅にあるレコードを処分しようと決めたはいいものの、何処にどう売ろうか迷っていはいませんか?
エコストアレコードには和モノの買取には自信があります。和モノのレコードを販売するルートも豊富に構築しているため、他店がよりも高額買取が可能で、なおかつ他店が値段を付けないようなあまり知られていないレコード作品にも買取できるものが多くあります。もちろん、和モノのレコードの買取経験も豊富で、当店のデータベースも他店には真似できない非常に優れたものです。
買取方法やその手順など、不明な点等ございましたら当店までお気軽にお問い合わせください。中古レコードの買取なら、迷わずエコストアレコードまでお任せくださいませ。
筆者: 福田俊一(ふくだ・しゅんいち)
FTF株式会社 制作部/販売部兼務。買取部門のコラムやnoteのほか、販売部門の特集コラムを執筆。大学卒業後にレコード収集に興味を持ち、約15年かけてジャズレーベル、ブルーノートの(ほぼ)すべてのLPをオリジナルで揃えた。
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