ハロウィン(HELLOWEEN)は今なおジャーマンメタルの最前線で活躍を続ける人気メタルバンドとして世界中にその名を轟かせています。そんなハロウィンの特徴は何と言っても時代ごとに変化に富んだサウンドです。カイ・ハンセン、マイケル・キスク、アンディ・デリスとボーカルが代替わりしていく中で、それぞれのファンを獲得していきました。今回は、そんなハロウィンのレコードで買取市場における人気の作品を紹介します。
ハロウィンの経歴を紹介ジャーマンメタルの最前線に立ち続けるバンドの歴史とは?
1978年、ドイツのハンブルクにて2人のギタリスト、カイ・ハンセンとピート・シールクがハロウィンの前身となる「ジェントリー」というバンドを結成しました。その後、ドラムスのインゴ・シュヴィヒテンバーグとベースのマーカス・グロスコフが加入しますが、ピートがエンジニアを志望して脱退してしまいます。バンドは「セカンド・ヘル」、「アイアン・フィスト」と改名を繰り返します。1982年にはギタリストとしてヴァイキーのあだ名で知られるマイケル・ヴァイカートが加入し、バンド名もハロウィンに決定。後のジャーマンメタル界を牽引するバンドが産声を上げた瞬間でした。
ハロウィンのバンド名はインゴが1978年に公開されたアメリカのスプラッター映画「ハロウィン」にちなんで名付けたものです。ただし、綴りを「HELLOWEEN」としたのはマーカスの案で、「HELL(地獄)を入れた方がメタルっぽい」という理由とのことでした。結成当時のボーカルはカイが務め、「魔女のような歌声」と形容されるカイのハイトーンシャウトと凶暴なギターサウンドを武器に、1985年の2月にノイズ・レコードから発売されたミニアルバム「Helloween」で鮮烈なデビューを飾ります。
しかし、ギターを弾きながらボーカルもこなすというスタイルにカイは疲弊しており、ギターに専念すべくボーカルを専門とするメンバーを探します。こうした経緯から1986年に加入したのが当時若干18歳の若き天才ボーカル、マイケル・キスクでした。キスクの伸びやかで朗々としたハイトーン・ボーカルはハロウィンを支える屋台骨となり、カイとヴァイカートの流麗で重厚なギターソロと合わせてパワー・メタル・サウンドを完成させることに成功したのです。この時期のハロウィンはまさに黄金期と呼べる活躍ぶりで、「Eagle Fly Free」や「Dr.Stein」といった今なお多くの人に愛される楽曲が生まれ、1987年に発表された「守護神伝-第一章-」および1988年に発表された「守護神伝-第二章-」の2枚のアルバムは世界的に大ヒットしました。海外ツアーも数多く行うなど、ハロウィンはこの頃人気の絶頂にあったと言えるでしょう。
しかし、一見順風満帆なように見えて、その実ノイズ・レコードの過酷なマネージメントにメンバーは徐々に疲弊していき、カイは体調を崩して脱退してしまいます。カイの後任のギタリストとしてローランド・グラポウを迎えますが、ノイズ・レコードからEMIに移籍した際のトラブルやポップな方面を志向していたキスクの発言力増大によるバンドの音楽性の迷走、インゴの負傷など、一転してバンドには次々と災難が降りかかりました。最終的に1993年にキスクは他メンバーとの対立が原因で、インゴは負傷によって以降の活動が困難になったことを契機に、解雇に近い形での脱退を余儀なくされてしまうのでした。
低迷期にあったハロウィンに新ボーカルのアンディ・デリスが加入したことで、徐々にバンドは息を吹き返していきます。カイのワイルドなシャウトと、キスクの伸びやかなハイトーン・ボーカルの両方をバランスよく持ち合わせた凄腕のボーカリストだったアンディは、オリジナル・メンバーのヴァイカートと並ぶバンドの中核として据えられました。バンドの音楽性も黄金期のパワー・メタル路線を行くことに定まり、1994年のアルバム「Master Of The Rings」によってついに復活が宣言されたのです。その後、何度かメンバーの入れ替わりがありつつも、ドラムスとしてダニ・ルブレ、ギタリストとしてサシャ・ゲルストナーを迎えてようやく現在まで続く陣容が揃い、2004年、これまでのハロウィンの集大成として「守護神伝 -新章-」を発表しました。海外ツアーも数多く行い、中でも2007年から2008年にかけて行われたツアーはカイがハロウィン脱退後に新たに結成したジャーマンメタルバンド、「GAMMA RAY」がゲスト参戦したことがメタルファンの中では語り草となっています。
2017年、「Pumpkins United Tour」と題されたワールドツアーにて、カイに加えキスクがゲスト参戦したことをきっかけに、バンドはカイとキスクを再びメンバーに加えた「リユニオン」体制となります。かつての確執を乗り越えたドリームメンバーの再結集を果たし、2021年6月にはフル・アルバム「Helloween」を発表するなど、ハロウィンは今もなお変化と進化を続けているのです。決して順風満帆とは言えない歩みではありながらも、実に半世紀近い年月を積み重ねてきたハロウィンですが、今なおジャーマンメタルの最前線に立ち続けるその勇姿は多くの人を惹きつけているのです。” ハロウィンの作品の特徴、人気の秘訣は力強いパワーメタルサウンド “ハロウィンの楽曲は、先述した迷走期における実験的な作品を除いて、一貫してパワーメタルを志向しています。特にマイケル・キスク期の「守護神伝 -第一章-」および「守護神伝 -第二章-」、アンディ・デリス期の「Master Of The Rings」や「7 Sinners」などはその傾向が強く出ていると言えるでしょう。これは黎明期よりバンドを支えてきたカイ・ハンセンやマイケル・ヴァイカートの方向性が反映されており、スピーディかつメロディアスなギターリフは「メロディック・スピード・メタル」と呼ばれるジャンルのイメージを決定づけたと言われるほどです。
ボーカルの個性が強いことも特徴で、「魔女のようだ」と評されるカイの荒々しいシャウト、キスクの聞いていて心地よいハイトーン、そしてアンディのどっしりとした安定感と、同じ楽曲でも歌い手によって全く違った印象を受けます。リユニオン後は3人のボーカルが揃い踏みすることで、それぞれの個性を一つの楽曲で味わうことができるようになりました。
もちろんパワーメタルやメロディック・スピード・メタル一辺倒と言うわけではなく、「Judas」のようなスラッシュメタル風の楽曲や、「Halloween」「Keeper of the Seven Keys」「The King for a 1000 Years」からなる10分超え楽曲の3部作、「Dr.Stein」のようなキャッチーな楽曲も手掛けています。また、コンピレーションアルバム「Unarmed」では、ジャズアレンジやオーケストラアレンジなど、多種多様なジャンルに変貌を遂げた楽曲を楽しむことができ、単なるアコースティック盤に留まらない魅力を感じることが可能です。
買取市場で注目されているハロウィンのレコードを紹介人気のレコードは?
以下では、ハロウィンのレコード作品の中でも人気のものをいくつかご紹介します。
守護神伝 -第一章-(Keeper of the Seven Keys Part1) VIL-28076
ハロウィンを代表する名盤のひとつで、「Keeper」3部作の第1弾です。マイケル・キスクが加入して初のアルバムであり、全世界で50万枚以上もの売上を記録しました。「I’m Alive」や「Future World」などの今なおライブで演奏される機会の多い数々の名曲に加え、13分もの大作「Halloween」が収録されています。
守護神伝 -第二章-(Keeper of the Seven Keys Part2) VIL-28129
「Keeper」3部作の第2弾で、先述する「守護神伝 -第一章-」と合わせてハロウィンの黄金期の象徴とも言えるアルバムです。「Eagle Fly Free」、「I Want Out」、「Dr.Stein」など、キスクのハイトーンボーカルやカイとヴァイカートの鮮やかなギターリフを味わえる楽曲が多く収録されています。表題作「Keeper of the Seven Keys」は「Halloween」に続く13分超えの超大作で、楽曲自体も壮大かつ荘厳な曲調で最後までしっかりと聴かせる良曲です。
Helloween N0021
ハロウィンのデビュー・ミニ・アルバムです。収録楽曲は5曲と少ないですが、A面にはカイ・ハンセンを代表する曲「Murderer」、B面には初期の名曲「Victim Of Fate」が収録されています。特にVictim of Fateは、カイがハロウィン脱退後に結成したバンド「GAMMA RAY」のアルバム「Skeletons in the Closet」で収録されるほど、カイのファンにとっても思い入れの深い楽曲となっています。現代のハロウィンとはまるで雰囲気の違う、初期ハロウィンの独特の味が好きだというファンも少なくありません。
Unarmed (Remastered 2020) (Clear Vinyl) NBA5536.1
これまでにハロウィンが手掛けてきた楽曲を様々なジャンル風にアレンジすることで「鋼鉄を脱ぎ捨てた」コンピレーション・アルバムです。ジャズアレンジされることでより楽しげな雰囲気になった「Dr.Stein」、「Helloween」「Keeper of the Seven Keys」「The King for a 1000 Years」の超大作三部作を1曲にまとめてオーケストラアレンジを行うことで聴き応えたっぷりの一大スペクタクルと化した「The Keeper’s Trilogy」、民族音楽風のアレンジを施されることで感動的なバラードになった「Eagle Fly Free」など、これまでの名曲の数々が大胆なアレンジを施されて生まれ変わりました。
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