人気絶頂の中、どうしても売り上げが伸びきらない葛藤の中にいたビートルズ。
前作「ラバー・ソウル(Rubber Soul)」で新たな試みを図りましたが、全英チャート1位獲得は8回です。
デビューアルバムの30回と比べ大幅な低迷を繰り返しながらも、こぎつけた7枚目のアルバムが「リボルバー(Revolver)」。
今回はそんな「リボルバー(Revolver)」の情報と、The Beatlesの実際に高価買取されているレコードの特徴をご紹介します。
リボルバー(Revolver)とは?
ビートルズが1966年に唯一発売したアルバムが「リボルバー(Revolver)」。
1966年4月6日から6月21日までレコーディングに費やし、8月5日に全英リリースとなりました。
本作ではジョージ・ハリスンが自作曲を3曲収録しており、作曲家としてのジョージの成長が現れたアルバムとなっています。
「リボルバー(Revolver)」での録音方法は、ADTという特殊な手法。
ライブで再現することが難しいものばかりでした。
そのため、本作に収録されている楽曲がコンサートで演奏されることはなかったのです。
ライブを主軸にしてきたビートルズが、レコーディングバンドへと変化した渦中で発表されました。
前回の映画サウンドトラック「HELP!」からの売り上げ低迷があり、ブライアン・エプスタインが画策していた長編映画とサウンドトラックの制作を事前に拒否。
これにより、ビートルズは3ヶ月間仕事がない状態になります。
この休暇期間にひとつの事件が起きました。
歯科医師ジョン・ライリーがコーヒーに混入させた「LSD」をジョン夫妻・ジョージ夫妻が服用。
幻覚症状を継続的に楽しんでいたことで本作「リボルバー(Revolver)」には大きな影響を与えることとなったのです。
アメリカでは、本作に先行して「イエスタデイ・アンド・トゥデイ(Yesterday And Today)」が発表されましたが、ジャケットのデザインへの嫌悪感からレコード会社が発売前に自主回収。
世の中に200枚、フライングリリースや回収要請に応じなかったものが出回っており、「ブッチャーカバー」と呼ばれ大変なプレミアがついています。
「リボルバー(Revolver)」最終収録となった6月21日、彼らは「シー・セッド・シー・セッド(She Said She Said)」の録音中に口論となり、ポールがスタジオを飛び出したというエピソードが残っています。
高価買取されるThe Beatlesのレコードの特徴について
ビートルズのレコードは、発売国ごとにマスターレコードが存在。
ただし、本物のマスターレコードはイギリスに存在し、UK盤こそが一番生のビートルズの音を体感できるとされています。
他国のマスターとなっているのは、UKマスター盤からのコピー、すなわち「一般発売されるもの」であって、UK以外のレコードは「一般レコードからさらにコピーしたもの」ということになるのです。
ビートルズマニアにとって、UK盤こそ最上のレコードとされ、高価買取の要因となります。
「リボルバー(Revolver)」を大解剖!
本作はイギリス盤とアメリカ盤で構成が若干異なります。
-収録曲-
【イギリス盤A面】
■タックスマン(Taxman)
ジョージ・ハリスンが作った曲。
政治的な要素を多く含み、ビートルズとしての政治的声明となった曲です。
パンク・ロックの原型・前身とも言われています。
■エリナー・リグビー(Eleanor Rigby)
ポール・マッカートニーが作った曲で、全英シングルチャート1位、ビルボードホット100では最高位11位をマーク。
本作製作中、ポールとジョンの間で小さなぶつかり合いがありました。
作詞を頼むつもりだったポールは、なぜかジョンにそのことを頼まず、無神経にジョンに作詞するように促しただけ。
末期の頃のポールによくある光景だったそうです。
■アイム・オンリー・スリーピング(I’m Only Sleeping)
ジョンレノンが作った曲で、ジョージ・ハリスンが弾いたギターを逆回転させたギターパートが特徴的。
イギリス盤のみの収録です。
■ラヴ・ユー・トゥ(Love You To)
ジョージ・ハリスンが作った曲。
インド楽器をふんだんに使用しており、演奏はジョージとリンゴ、それに外部ミュージシャンにインドミュージシャンを招いています。
■ヒア・ゼア・アンド・エヴリホエア(Here There And Everywhere)
ポール・マッカートニーが作ったラブバラード。
「リボルバー(Revolver)」収録の終盤に収録された曲で、ブライアン・ウィルソンの「神のみぞ知る」の影響を受けています。
■イエロー・サブマリン(Yellow Submarine)
レノン=マッカートニーとしての共作で、リードボーカルにはリンゴ・スターを起用。
リンゴ・スターがリードボーカルとなる曲は、イギリスでのシングル曲では唯一です。
■シー・セッド・シー・セッド(She Said She Said)
ジョン・レノンが作った曲で、先に上げたメンバートラブルによりポールがレコーディング中に離脱。
この曲の録音にはポールのいないビートルズだけで臨んでいます。
【イギリス盤B面】
■グッド・デイ・サンシャイン(Good Day Sunshine)
ポール・マッカートニーが作った曲。
転調や変拍子が含まれ、かなり好みが分かれる作品となっています。
■アンド・ユア・バード・キャン・シング(And Your Bird Can Sing)
ジョン・レノンが作った曲。
作者であるジョンは「捨て曲だ」と語っていますが、多くのアーティストにカバーされています。
イギリス盤のみの収録です。
■フォー・ノー・ワン(For No One)
ポール・マッカートニーが作った曲。
ジョンレノンが「ポールの作った曲で一番好きな曲」と明言しています。
フレンチホルンのソロが印象的です。
■ドクター・ロバート(Doctor Robert)
ジョン・レノンが作った曲。
ドラッグを常習するようになっていたジョンらしい曲になっていて、内容も「ドラッグやピルについての曲だ」と雑誌インタビューで答えています。
イギリス盤のみの収録です。
■アイ・ウォント・トゥ・テル・ユー(I Want To Tell You)
ジョージ・ハリスンが作った曲。
LSDでトリップしている状況でインスピレーションを受け、その感覚を曲に乗せているために不協和音や、らしくないギターリフが目立ちます。
本作からポールはベースパートを後からオーバーダビングするようになりました。
■ゴット・トゥ・ゲット・ユー・イントゥ・マイ・ライフ(Got To Get You Into My Life)
ポール・マッカートニーが作った曲。
マリファナをテーマとした曲で、ブラスセクションが入った最初の曲です。
■トゥモロー・ネバー・ノウズ(Tomorrow Never Knows)
ジョン・レノンが作った曲で、多くのレコーディング技術を駆使して作られた1曲。
テープの逆回転やオーバーダビング、ドップラー効果など、ライブを一切考えずにレコーディングだけで成立する音楽となっています。
【アメリカ盤A面】
■タックスマン(Taxman)
■エリナー・リグビー(Eleanor Rigby)
■ラヴ・ユー・トゥ(Love You To)
■ヒア・ゼア・アンド・エヴリホエア(Here There And Everywhere)
■イエロー・サブマリン(Yellow Submarine)
■シー・セッド・シー・セッド(She Said She Said)
【アメリカ盤B面】
■グッド・デイ・サンシャイン(Good Day Sunshine)
■フォー・ノー・ワン(For No One)
■アイ・ウォント・トゥ・テル・ユー(I Want To Tell You)
■ゴット・トゥ・ゲット・ユー・イントゥ・マイ・ライフ(Got To Get You Into My Life)
■トゥモロー・ネバー・ノウズ(Tomorrow Never Knows)
ドラッグがビートルズの中に入り込んで、かなり音楽的にカオスな時代のビートルズのアルバム「リボルバー(Revolver)」。
このアルバムを転機に、今後ビートルズは変化を繰り返すようになります。
ライブ音楽からレコーディング音楽へと変化したビートルズサウンドが、世の中をさらに大きな渦に巻き込んでいきました。
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