いま買取のみならず、中古レコード業界で話題となるギタリスト、高中正義の人気。まさにフュージョンの醍醐味といえる爽やかで洗練されたなギターサウンドが彼の音楽の魅力。その注目度の高さは国内にとどまらず、世界中に広がりを見せています。印象的でポップな楽曲はCMのBGMに起用されることも多いですが、音楽番組に出演することはほとんどない幻のミュージシャンでもあります。この記事では、日本屈指のスーパーギタリスト・高中正義の魅力や経歴、買取市場で注目されているレコードについて解説していきます。
高中正義の魅力と経歴を紹介
高中正義と言えば、夏を象徴するようなクリアで瑞々しい旋律を思い出す人も多いでしょう。高中正義の楽曲が流れるだけで瞼の裏には青く光る海岸線が映し出されるような、個性あふれる独自の世界観で人々を魅了し続けてきました。稀代のミュージシャンとも称される彼の矜持は「感じる音、琴線に触れる音を届け続けること」。そんな彼のプライドや思いが込められた名曲群は数々のCMやテレビ挿入歌に起用され、国内外においても高く評価され続けてきました。
そんな高中正義のデビューは1971年、細野晴臣が在籍していたエイプリル・フールのコンサート中にステージに上がりギターを演奏したことがきっかけでした。当時高校3年生だった彼は、岡林信康やつのだひろが在籍していたストロベリーパスのサポートやバッキングとして参加するなど、活躍の場を一気に拡大していきました。その後、ストロベリーパスがフライド・エッグとバンド名を変え、高中正義も正式なメンバーとなります。
フライド・エッグが解散した後、日本のフュージョン・プログレッシブロックの先駆けであるサディスティック・ミカ・バンドに加入し、ギタリストとしての評価がさらに高まっていきました。1975年にはサディスティック・ミカ・バンドが解散し、高橋幸宏らと共に新バンド・サディスティックスを結成。徐々にソロ活動も行うようになり、1978年の解散と共に完全にソロへと移行しました。
1970年代後半はトロピカルブーム・フュージョンブームが到来し、そんな時代背景にフィットした爽やかな高中正義サウンドも注目されるようになりました。そして、1979年にリリースしたアルバム『JOLLY JIVE』は大ヒットを遂げ、当アルバムからシングルカットされた『BLUE LAGOON』はパイオニア・ステレオCMソングに起用。その後、日本武道館で開催された井上陽水とのジョイントコンサートを機に、高中正義は一気に日本ロックミュージック界の頂点に躍り出ました。
1981年には、イタリア出身の画家であるウル・デ・リコが手掛けた『虹伝説』をコンセプトとしたアルバム『虹伝説 THE RAINBOW GOBLINS』をリリース。同年には日本レコード大賞企画賞を受賞し、1982年には、ソロ9枚目のアルバム『SAUDADE』がオリコンチャートのトップを飾るなど人気はさらにヒートアップしていきました。
1985年にはレコード会社を移籍し、ダンスミュージック色をプラスした『TRAUMATIC 極東探偵団』を東芝EMIからリリース。軽やかで洗練されたサウンドはバブル時代にマッチし、トップサウンドクリエイターとして幅広く認知されるようになりました。2000年以降は個人レーベル・Lagoon Recordsを設立し、独自のペースで楽曲を発表するようになります。2021年にはデビュー50周年のアニバーサリーイヤーを迎え、精力的にライブ活動を行い、今も変わらぬ高中サウンドで幅広い世代のリスナーを魅了し続けています。
買取市場で人気の高い高中正義のレコードの特徴
買取市場で人気の高い高中正義のレコードは、代表作品である『JOLLY JIVE』、『TRAUMATIC 極東探偵団』などが挙げられます。さらにレコードの横に付いている帯やリーフレット、帯裏に付いている補充注文票の有無によっても買取価格は変わってきます。
その他には、ファーストソロアルバム『SEYCHELLES』、コンセプトアルバム『虹伝説 THE RAINBOW GOBLINS』等、キティレコードからリリースされたタイトルの人気も高いです。キティレコードのタイトルや、シングルヒット曲である『alone』『BLUE LAGOON』なども、買取市場で注目を集めています。
買取市場で注目されているタイトルを解説
SEYCHELLES キティレコード
爽やかでクリエイティブなサウンドがほとばしる記念すべきソロデビュー作品です。収録曲は全8曲で、うち3曲は高橋ユキヒロが作詞を手掛けています。SEYCHELLESというアルバムタイトルはインド洋に浮かぶイギリス連邦加盟国の名称ですが、高中正義氏本人はセーシェル諸島に訪れたことはないそうです。
THE RAINBOW GOBLINS 虹伝説 キティレコード
当タイトルは、オリコンチャート3位を記録した7枚目のアルバムです。サブタイトルは「虹のしずくが音になった」で、絵本に描かれている12枚の絵それぞれに楽曲を付けたコンセプトアルバムとして知られています。ポップで軽やかなシンセサイザーとギターの音色が印象的な『THE SUNSET VALLEY』などの名曲が多く収録された大作です。
TRAUMATIC 極東探偵団 東芝EMI
ポップなダンスサウンドが心地よく響く当タイトルは、高中正義の新境地を開拓したともいえる記念すべきタイトルです。洗練されたサウンドにレトロな雰囲気がマッチして、時代を経てもなおスタイリッシュな雰囲気を色濃く感じる秀作です。ゲストには、松任谷由実、矢野顕子、トム・ブラウンを迎え、爽やかなサウンドに心地よいボーカルがプラスされています。
フュージョンの新時代を開拓した高中正義
高中正義が奏でるクリアで華やかなサウンドは、フュージョン全盛期の中でもひときわ異彩を放ち、独自の個性で多くのオーディエンスを魅了してきました。日本のみならず世界でも根強いファンが多い高中正義のレコードは、買取市場でも常に注目を集めています。もしご不要の高中正義のレコードをお持ちの方がいるのでしたら、是非エコストアレコードまでご連絡ください。
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