瑞々しい旋律で空間を彩るカナダが生んだ天才ピアニスト、グレン・グールド(Glenn Gould)。独創的で斬新な演奏法はクラシックの異端児と称されたこともあり、甘く美しいルックスでアイドル視された人物でもありました。この記事では、愛と葛藤に満ちた波乱万丈な生涯を送ったグレン・グールドについて、さらに買取市場で注目を集めているレコードタイトルも紹介していきます。
グレン・グールドとは
バッハのゴルトベルク変奏曲を斬新な手法で演奏し、一躍世界にその名を発せた天才ピアニスト、グレン・グールド。モデルのような華麗なるルックスでも女性の注目を集め、「美しき奇士」の異名を誇るピアニストとしても知られています。
グレン・グールドが鬼才と評されることが多かったのは、やはりその特異なスタイルにあるでしょう。四季を問わず手袋とマフラーを身に着け、演奏は異様に低いイスに着座し、時には歌を口ずさむこともありました。
そんな彼のデビューは1956年、バッハのゴルトベルク変奏曲によるものでした。ルイ・アームストロングの新譜を抑えてチャート1位を獲得したデビュー作は、アメリカの一流音楽批評家・ショーンバーグから絶賛され、ザ・ニューヨーカー誌、ヴォーグ誌からも多大なる賞賛を受けます。
時代の寵児となったグレン・グールドに対し、マスコミはそのアイドル的なルックスと奇抜な個性を喧伝。彼の認知度が一層高まった中、ソ連へ初めて演奏旅行に赴きます。各演奏会場は満員御礼で、瑞々しく大胆な演奏力は「バッハの再来」と大絶賛されました。当時の彼の演奏技術は、ソ連クラシック音楽界の巨匠、ムスティスラフ・ロストロポーヴィチなどに多大なる影響を与えています。
その後、ヨーロッパでは世界屈指の指揮者であるヘルベルト・フォン・カラヤン、レオポルド・ストコフスキーらと共演し、1959年には、世界的権威があるザルツブルク音楽祭にも出演。世界各国で大絶賛されたグレン・グールドは、天才ピアニストとして不動の地位を確立します。
しかし、1964年に開催されたシカゴ・リサイタルを最後に演奏会の活動から引退しました。かねてから一回限りの演奏会に疑問を感じていたグレン・グールドは、以降テレビ、ラジオのみを音楽の活動拠点としました。そして、1981年にはバッハの「ゴルトベルク変奏曲」を再録音しました。1981年盤は、現在も彼の最高傑作と称されています。
1981年盤は、1955年6月にモノラル録音された名盤・「ゴルトベルク変奏曲」と並び称されることが多い作品です。1955年版はフレッシュで瑞々しい感性が際立ち、早いテンポと強めのタッチが特徴的な仕上がりとなっています。一方、1981年版は熟成感あふれる作品で、抒情的でなめらかな旋律が印象的です。
年を重ねるごとに変化し、進化し続けてきた演奏法で数多のオーディエンスを魅了した彼でしたが、翌年の1982年9月、脳卒中により緊急入院。容態は悪化の一途をたどり、延命措置を施すも回復の兆しは見られませんでした。そして翌月の10月、父親の申し出により延命措置の停止が決断。50歳という若さでこの世を去ることとなります。彼の墓石には、彼の生涯ともいえるバッハのゴルトベルク変奏曲の一節が刻まれています。
エキセントリックな人物像に着目されることが多かったグレン・グールド。しかし、比類なき演奏技術と音楽センスは東西の壁を乗り越えた素晴らしいものでした。「楽曲を分解し、別の形に組み直したかのような前例のないアプローチ」と称された彼の作品群は、今も変わることなく世界中のオーディエンスから高く評価され続けています。
買取市場で注目されているグレン・グールドのレコードとは
グレン・グールドのレコードは全般的に評価が高いですが、特に買取市場で注目されているのは1981年盤、1955年盤のバッハ・ゴルトベルク変奏曲です。どちらも革新的な作品で、両タイトルを聞き比べることで、彼の心理状態や変化、卓越した技術を堪能できます。
これらのタイトルは限定盤やリマスター版など様々な形態で再販されていますが、中でも完全限定版の注目度が高いです。具体的には、『ゴルトベルク変奏曲 完全生産限定盤・180グラム重量盤レコード』『ゴルトベルク変奏曲 ・1955年完全限定生産盤』などが挙げられます。
グレン・グールドの人気タイトル紹介
ゴールドベルク変奏曲・国内完全生産限定盤
当タイトルは、天才ピアニスト・グレン・グールドが世界に飛躍する先駆けとなったデビューアルバム、そして最高傑作と名高い1981年盤が含まれています。美しいルックスのジャケットと共に、グールドの生涯、音楽に対する考え方など、魅力のすべてが凝縮した名盤です。
ゴルトベルク変奏曲
当タイトルはSONYのデビュー盤で、疾走感あふれる演奏や斬新な対位法処理、独自の内省的な歌唱など、クラシック界に激震を走らせた衝撃作です。クラシックファンのみならずジャズ界からも高く評価された名盤でもあります。
苦悩と愛の狭間に生きた天才ピアニスト・グレン・グールド
ロマンティストかつ繊細であった彼は、その内面とは対極となるエキセントリックな行動と演奏法、華やかなルックスで注目を集めました。苦悩と愛の狭間で葛藤し続けた彼の人生は、その卓越した演奏力の根幹を成していると言えるでしょう。そんな天才ピアニスト・グレン・グールドのレコードが自宅に眠っていませんか?もしご不要であれば、是非エコストアレコードへご連絡をお待ちしております。
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