中古買取市場においてブラック・サバス(Black Sabbath)のレコードが人気です。1968年に結成し、2017年に49年にわたる歴史に幕を閉じたイギリスのバンド、ブラック・サバスはヘビメタの元祖ともいわれる伝説的バンドです。オジー・オズボーンの悲壮感に満ちた歌声と、トニー・アイオミの無機質で重厚なギターがおりなすサウンドは、唯一無二の世界観を生み出し、長年にわたり世界で注目を集めてきました。
この記事ではブラック・サバスの歴史を振り返るとともに、買取市場で注目を集めているレコードを紹介します。
ブラック・サバスはどんなバンド?
オジー・オズボーンを中心に、1968年にイギリスのバーミンガムで結成、当初はヘビー・ブルース・ロックを演奏するバンドとして「Earth」と名乗っていました。しかし徐々にオカルトの世界観を音楽に取り入れるようになり、1964年に公開されたマリオ・バーヴァ監督のホラー映画のタイトルを取り、バンド名を「ブラック・サバス」に改名しました。
1970年2月13日金曜日にアルバム「ブラック・サバス」でデビュー。怪奇的な世界観でヘビメタを演奏する彼らは、レッド・ツェッペリン、ローリング・ストーンズと並び、70年代初期のイギリスを代表するバンドとして人気を博しました。
同年9月にリリースしたセカンドアルバム「パラノイド」が大ヒット。独特で重厚なサウンドは「サバス・サウンド」と評され、60年代に流行り始めたヘビメタは彼らによって完成されたといわれています。
アメリカツアーも成功させ、続く3枚目のアルバム「マスター・オブ・リアリティ」は予約段階でゴールドディスクになるほどの人気でしたが、この後、徐々に曲のアレンジが変化していき、ファンが求めるイメージから離れていきます。
1977年、バンド内のゴタゴタでオジー・オズボーンが脱退し、バンドは低迷期に入ります。翌年、オジーは復帰しましたが人気は戻らず、10周年ツアーやニューアルバムも不調に終わりました。
1979年にオジーが再び脱退、ベースのギーザーも脱退し、新メンバーが2人加入、翌年にギーザーが復帰と、目まぐるしい変動をとげながら生き残りをはかったこの時期。
9作目のアルバム「ヘブン・アンド・ヘル」が久々のヒットとなり、ブラック・サバスは前線に戻ってきました。しかしその後もメンバーの脱退、加入を繰り返し、1990年頃までトニー・アイオミのソロ・プロジェクトとしてメンバーが流動的なまま、活動を続けることになります。
90年代後半になりオジーが復帰、ブラック・サバスが再結成したニュースは多くの音楽ファンを沸かせました。この背景にはニルヴァーナが、全盛期のブラック・サバスに大きな影響を受けていると語ったことや、ヘビーロックが再びはやり出したことなどがあり、サバス・サウンドが世間から再評価されることとなりました。
彼らの影響力は、ハードロックやヘビメタにとどまらず、ハードコア・パンクやグランジ、ブラックメタルといったジャンルにおいても、その源流として扱われることが多いです。1997年にオリジナルメンバーが集まりツアーを行った際、「今後、オリジナルメンバー以外ではブラック・サバスを名乗らない」と公言したことから、2000年代に入り、一時期「ヘブン・アンド・ヘル」と名乗り活動していた時期もありました。
しかし、2011年11月11日にオリジナルメンバーが集結しブラック・サバスは再始動。
ブラック・サバス名義では実に18年ぶりとなったアルバム「13」はアメリカ、イギリスの両方でチャート1位を獲得しました。
そして2017年、最後のツアーを終え、およそ50年の歴史に幕を閉じました。
世界中で人気の高いブラック・サバスのレコードは?
黒い安息日 Black Sabbath(型番 :SFX-7203)
1970年にリリースされたデビュー・アルバムで、邦題は「黒い安息日」。わずか2日で収録されましたが、1年にわたりチャートに残るヒット作となりました。ブルースとジャズを基調にしながらも、アイオミの不穏なギターで黒魔術的な世界観を生み出している本作。大ヒットシングル「Evil Woman」が収録されています。
パラノイド Paranoid(型番 : SFX-7266)
デビューアルバムからわずか7ヶ月後にリリースされたセカンドアルバムで、全英1位を獲得しました。当初「War pigs」をアルバム名にする予定でしたが、ベトナム戦争への配慮から「Paranoid」に変更されたといわれています。
タイトル曲の「Paranoid」や収録曲「Iron man」は彼らの作品の中でもっとも有名な曲といわれています。
マスターズ・オブ・リアリティー Master of reality(型番 :SFX-7400)
前2作よりサウンドがダークでヘビーに進化したサードアルバム。トニー・アイオミの特徴的なギターリフを全面に押し出したアレンジが際立つ1枚です。重低音を炸裂させながらも、イギリストラッドやクラシックの要素も盛り込んだ、重厚なアンサンブルの曲が多いのが特徴です。「Sweet Leaf」、「Into The Void」といったヘヴィ・ロックの名曲を収録しています。
ブラック・サバス Vol.4 Black Sabbath Vol.4(型番 : RJ-5049)
1972年に発表された作品の中で最高傑作との呼び声も高い4枚目のアルバム。メンバーがコカイン乱用の問題を抱える中で製作されたといわれています。収録曲「Changes」はブラック・サバス初のピアノバラード。2003年にオジー・オズボーンが娘のケリーとデュエットでこの曲をリリースし、全英シングルチャート1位を獲得しました。
多くのアーティストに影響を与えたブラック・サバス
ニルヴァーナをはじめとする多くのアーティストが「自分の音楽に影響を与えたアーティスト」として名前をあげるブラック・サバス。彼らの曲は50年経った今も色褪せることなく、多くの音楽ファンから愛されています。2017年に活動を終えたことからも、過去の作品に注目が集まっています。もし、ご自宅に眠っているレコードがありましたら、ぜひエコストアレコードにご連絡ください。
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