レコード買取をお願いするならどんなことに注意しますか?レコードは1枚○○円といった、決まった金額で買取されるわけではありません。商品としての保存状態がそれぞれ違えば、人気もまったく違います。そのため、レコードの買取金額は一律で定められません。同じアーティストの同じ作品であっても、型番(品番)が違ったり帯の色が違ったりして、調べてみるとプレス年(製造年)が異なることも。その結果、見た目こそ同じレコードであっても商品価値は個々に変わるのです。つまりは年代や種類、そして商品の状態が総合的に評価され、それに応じて中古品としての査定金額も変化するということなんです。
この記事では、筆者である私がレコードを売った自身の経験をもとに「注意すべきポイント」を皆さんに助言してみたいと思います。
文:福田俊一(Ecostore Records)
ポイント①:値段がつきにくいレコードを知る
ものを店に売るときに査定額を知ってガッカリしたことって皆さんもありますよね。私が過去 レコードを買取してもらったときにだってもちろんあります。ガッカリした理由は、<もっと高く売れると思った>という期待があったから。レコードって音楽を再生する媒体ではありますが、思い入れが詰まったり人からもらった大事なものだったりしますよね。歌がうまい歌手だったら「この作品は日本一!だから買取でも高く売れなければおかしい」と思う人だっているでしょう。
しかし、現実的な話をすると、レコード買取において値段を決めるものは実は<音楽作品としての完成度>ではありません。あるいは歌手の知名度でもないのです。それでは、レコードの価値が見出される要素は何なのか。それはレコードの専門家のみぞ知る鑑定基準、それは【レコードの人気と需要の高さ/希少性(珍しさ)/中古品としての保存状態】なのです。
だから、レコード買取で《値段が低かったもの》には下記のような理由があるはず。
①中古市場で人気がない(=需要がない)
②在庫が多いため売れない(=珍しくない)
③価値あるものだが劣化がひどく販売しにくい(=保存状態が悪い)
状態良ければ5,000円の相場のものでもキズが多くて500円くらいでしか買取してもらえなかった経験が私にもあります。つまり、中古レコードとして売り物にするなら状態が悪くて5,000円では売れないと判断されたんですね。この会社に入社して、実際に私自身が値付けするようになってこの悔しさを理解できました。「高い値付けをすると売れない」。お客様も残念ですが、実は買取査定スタッフも残念な思いなんです。
ポイント②:買取相場が上がったレコードを知る
一方で、「思っていたよりレコードの買取額が高かった」という嬉しい驚きも私は度々経験しています。私が売ったレコードはアメリカのヒップホップのレコード。20歳そこそこのとき、レコードを買い漁るようになって渋谷のクラブミュージックのレコード店で買っていた新譜がそうでした。当時でこそ、「好きなアーティストが新作を出した」と喜んで毎週のように色んなレコードを店頭で購入していましたが、いまになって値段が上がってきたものがどうやらあるそうなんです。2000年代は世間一般ではCDが主流の時代。新譜のレコードの流通数は多くなく、20年近く経った今になってその希少性が人気とあいまって評価されているそう。当時私が2,000円で買ったレコードでも海外相場では10,000円を超えているものがあるんだとか。そうなると海外への販路がある中古レコード買取店では以前より高い相場で買取してくれます。レコードって生き物みたいで面白いですよね。
以前より相場が上がった音楽ジャンルはヒップホップ以外にもあります。例えば、いま世界的なブームを巻き起こしている80年代の日本の音楽=シティポップもそう。「シティポップだなんて話題になってるけど、昔 歌手○○のレコードはよく聴いていたわ」とお考えのあなた。そのレコード、もう聴いてないなら今が売り時かもしれませんよ。
ポイント③:帯や解説書、付属品のあり/なしで値段が変わる?
中古レコードの買取額に影響がある要素、それは付属品にもあります。古い日本のレコードって帯が付いていますよね。当時は定価が載っていたり歌手のキャッチコピーが載っていたり、そのレコードの広告としての意味がありました。ただ、その帯が海の向こう、海外のレコードコレクターからとてつもない人気を集めているのです。帯(Obi)が付いている日本のレコードが目新しくて、格好いいのだとか。私たち日本人は「邪魔だ」といって帯を捨ててしまった人が多いそうです。でも、よく考えると帯だってレコードの立派な付属品。歌詞カードを捨てることと同じだと考えるともったいないと思うのではないでしょうか。
海外のレコードコレクターが帯の価値を教えてくれたように、帯も歌詞カードもしっかり付属しているもののほうがより高く買取されるのが鉄則。日本盤レコードをお持ちで売るなら、<帯はジャケットのなかに隠れていないか><歌詞カード・解説書は残っているか>をしっかり確認してください。あるとないとでは買取額に差がうまれますよ。
ポイント④:レコードの売却先選びはとても重要!
買取のまえに知っておいてほしい最後の注意点はその<売却先>です。私が体験したなかで感じたのは、ジャズのレコードを売るならジャズに強い(知識が豊富な)業者に売るのが一番だということ。ロックのレコードをお持ちならロックの知識に長けた店がベストでしょう。やっぱり詳しい業者に鑑定を任せると安心ですよね。
エコストアレコードはオールジャンルのレコードに対応している中古レコード買取専門店。ジャズも買い取りすれば、ロックだって買い取りしますし、昭和歌謡もクラシック音楽もレコードなら何でも買い取りできます。当店の強みは30年の買取実績のなかで蓄えられた豊富なデータ。一見、人気が低そうなレコードだが実はとても珍しい一枚だった、なんてものも見逃しません。百戦錬磨、レコード専門査定スタッフがお客様の大切なレコードに見合った適切な査定額を見積っています。だから、<もう聴くことはないけどご自慢のレコードコレクションだ>という方もお気軽に利用することをお勧めしますよ。エコストアレコードの買取サービスをぜひご活用ください。
筆者: 福田俊一(ふくだ・しゅんいち)
FTF株式会社 制作部/販売部兼務。買取部門のコラムやnoteのほか、販売部門の特集コラムを執筆。大学卒業後にレコード収集に興味を持ち、約15年かけてジャズレーベル、ブルーノートの(ほぼ)すべてのLPをオリジナルで揃えた。
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