不要なレコード、「買取業者ならどこに売っても同じ」だと考えていませんか?実はこれ、間違いなんです。そう考える方は、特にレコード自体に興味がない人に多いようです。とはいえ、CDやサブスクが主流となった今の時代、昔の中古レコードが今どれほどの価値を持つか分からなくても無理はないでしょう。
家にレコードが残っていて「処分したいがどこに売ればよいか分からない」という人に参考になるよう、中古レコード買取専門店スタッフである筆者の個人的な体験談をもとに解説します。買取業者選びはとても重要なんです。
文:福田俊一(Ecostore Records)
レコード買取額は何を基準に決まるのか
もう聴かないレコードを売ろうとして、いくらになるだろうと誰もが気になるでしょう。「誕生日にプレゼントしてもらった」「初めて買ったレコードだった」。レコードは大切な記憶を思い出させてくれるまさに宝物。大好きなレコードに針を落とす、それはまるで昔の写真アルバムをパラパラと見返すような感慨深い行為でもあります。きっと忘れかけていたあの頃の思い出が脳裏を駆け巡るでしょう。そんなレコードですが、目利きのプロによって色んな要素をもとに価値が鑑定されます。中古市場での人気や需要だとか。希少性も重要なポイントですし、商品としての保存状態も大事。様々な角度から鑑定が行われ、その結果として「買取額は○○円が適切だ」と判断されるのです。
しかし、そういった鑑定は当然 一般の人には困難です。なぜなら鑑定には専門家の深い知識が必要だから。例えば、歌手・荒井由実(松任谷由実)の73年発表デビュー作『ひこうき雲』にも鑑定ポイントがあります。それは、同作の初版レコードのみジャケットにヒミツが。ひとつは表面・裏面ともに薄い橙色で<ALFA>と印字があること。そしてもうひとつは背表紙部分にある名前が「荒井由美」と誤植になっていること(正確には《由実》)。この2つの条件を満たすものがすなわち大変価値が高い『ひこうき雲』の初版となります。
ちなみにそんな荒井由実の『ひこうき雲』初版レコード、当店では80,000円で買取しています。※帯付き状態良好品である場合
業者に知識があるかないかで買取額は決まる!
不要なレコードの買取を検討している皆さんにぜひとも知ってほしいこと。それは、レコードを売るための<業者選び>は買取額を左右するほどとても重要だ、ということ。私個人の体験談としては、邦楽のレコードを売却するなら邦楽の専門知識に長けた業者が良いですし、ジャズのレコードを売却するならジャズに詳しい業者がやはり良いです。とはいえ、オールジャンルの音楽知識を備えた中古レコード買取専門店もあるのでそういった店を選んでも良いでしょう。※当店エコストアレコードもオールジャンルを取り扱う買取専門店。各音楽ジャンルに詳しい査定スタッフが在籍
専門知識があるということはそのレコードの価値がしっかりわかるということ。大事に扱っていたレコード、せっかく売るなら価値を正しく評価してほしいですよね。お金がかかわるならなおさらです。そのためにも、レコードの売却先、買取業者選びはとても大切な要素なんです。信用できる業者を選んで安心して買取を任せましょう。
筆者: 福田俊一(ふくだ・しゅんいち)
FTF株式会社 制作部/販売部兼務。買取部門のコラムやnoteのほか、販売部門の特集コラムを執筆。大学卒業後にレコード収集に興味を持ち、約15年かけてジャズレーベル、ブルーノートの(ほぼ)すべてのLPをオリジナルで揃えた。
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