奇才ともいわれる天才ジャズアーティスト、セロニアス・モンク(Thelonious Monk)を知っていますか?当店では彼のレコード作品の買取依頼も多く頂戴します。
彼はその独特なピアノのタッチで多くの聴衆を魅了しただけではありません。作曲家としても非凡な才能があり、「ラウンド・ミッドナイト(’Round Midnight)」を筆頭にジャズのスタンダードになった楽曲が沢山あります。
セロニアス・モンクもまた、高額で買取されるレコードが多数ある人気ミュージシャン。
もしかするとあなたのご自宅でもレコードが眠っているかもしれない、セロニアス・モンクについてエコストアレコードが解説します。
文:福田俊一(Ecostore Records)
知っておきたい、セロニアス・モンクのこと
セロニアス・モンクは1917年、米国ノースカロライナ州に誕生。本名はセロニアス・スフィア・モンク(Thelonious Sphere Monk)。6歳の時にピアノを演奏し始め、ファッツ・ウォーラーらのスタイルであったストライドピアノを教わったそう。レッスンではクラシック音楽も学んだようですが、本人に興味があったジャズに専念したとのこと。
10代後半からジャズを演奏して稼ぐようになり、1940年代中頃にはマンハッタンのジャズクラブ、ミントンズ・プレイハウスで専属ピアニストとして働くように。当時の彼の演奏スタイルは”ハード・スウィンギング”と表現され、デューク・エリントンやジェイムズ・P・ジョンソンの影響を受けたと言われています。
1947年、ブルーノートの若手スカウトだったアイク・ケベックが社長、アルフレッド・ライオンにモンクを紹介。その後間もなく、リーダー作『ジニアス・オブ・モダン・ミュージック』へ収録される音源が録音されました。演奏家、作曲家として類まれなる才能を存分に発揮することに。1952年までブルーノートへ作品を吹き込んだモンクは新たにプレスティッジと契約。同レーベルでは自身の作品だけでなく、ソニー・ロリンズやマックス・ローチらとも共演し作品を残しました。この頃には初めて訪れたフランス・パリでもコンサートを開いたほか、現地のラジオでも演奏を披露しました(その音源はのちに仏レーベル、ヴォーグから発表された)。ジャズ界において高い評価を得て、活動の場を広げていたセロニアス・モンクは1955年にリバーサイドへと移籍。翌年に発表した『ブリリアント・コーナーズ』は彼にとって商業的な成功を収めた初めてのアルバムで、彼の代表作にもなりました。
1962年、セロニアス・モンクは米国大手レコード会社コロムビアとサインし、彼の生涯で最も売れたアルバム『モンクス・ドリーム』を録音。1964年には著名なニュース雑誌であるタイム誌で「The Loneliest Monk」という特集が組まれ、モンクはその表紙を飾るまでに。マイルス・デイヴィスと共に働いたプロデューサー テオ・マセロや、モンクの長年のパートナーだったサックス奏者、チャーリー・ラウズのサポートを得て数々の作品を残してゆきました。
しかし、1970年代になるとセロニアス・モンクは健康状態の悪化から表舞台から姿を消すように。1971年、英国のレーベル、ブラック・ライオンへのレコーディングが彼にとっての最後となりました。人生最後の6年間は、長い間パトロンとして彼を支えた友人 パノニカ・ドゥ・コーニングウォーターの自宅で過ごすように。そして孤高の天才ピアニスト、セロニアス・モンクは脳卒中が原因で1982年2月17日にこの世を去りました。64歳でした。
天才ジャズピアニスト、セロニアス・モンクの作品を紹介
Thelonious Monk / Genius Of Modern Music Vol.1(Blue Note, 型番:BLP 1510)
1956年発表。(録音は1947年~52年)
当初 セロニアス・モンクの楽曲はSP盤レコードで発売されましたが、1951年に10インチアルバムに編集しなおされリリース。更にその後、未発表となっていた4曲を追加して12インチLPとなり1500番台シリーズで再リリースされたのが本作。第1集、第2集と連番での発売となりました。タイトルに輝かしく載った「モダンジャズの天才」という名からはブルーノートの自信が伺えます。
本作に収録された「ラウンド・ミッドナイト」、「ルビー・マイ・ディア」等は彼が作曲したもので、今ではすっかりジャズのスタンダードとなった名曲。モンク本人による最初期の演奏が吹きこまれた訳ですから、本作はこれからも貴重なレコードであり続けます。
Thelonious Monk & Gerry Mulligan / Mulligan Meets Monk(Riverside, 型番:RLP 12-247)
1957年発表。
西海岸ジャズを代表するバリトン・サックスの名手、ジェリー・マリガンとの共演作品。「ストレート・ノー・チェイサー」ほか、セロニアス・モンクが作曲した楽曲にマリガンの重厚なサックスの音色が加わった素晴らしい演奏が展開されます。
セカンドプレス等、再発系のジャケット表にはモンクとマリガンの写真が載るのに対して、オリジナル(初版)にはその写真がないのが特徴。当然、価値が高いオリジナルなら高価買取となります。
Thelonious Monk / Thelonious Alone In San Francisco(Riverside, 型番:RLP 12-312)
1959年発表。
サンフランシスコで録音されたセロニアス・モンクのソロピアノ作品。
Thelonious Monk / It’s Monk’s Time(Columbia, 型番:CL 2184)
1964年発表。
全6曲中、3曲がオリジナル、残りはスタンダード曲という構成。「ルルズ・バック・イン・タウン」など収録。タイトル通り「モンク時代の到来」を告げた、コロムビア在籍時の彼を代表する作品の一つです。
セロニアス・モンクのレコード買取ならエコストアレコードが◎
レコードは今その人気が再燃し、多くの新しいファンを迎えています。しかし、レコードというのは実に奥が深い世界。詳しくなければ見た目には違いが解りませんが、実際には数百円から数万円というように商品価値に大きな幅があります。
年代物のセロニアス・モンクのレコードもその例外ではありません。
もし、ご自宅で聴かれずに眠っているだけのセロニアス・モンクのレコードが高く買取されると知ったら、あなたはどうしますか?
貴重なレコードを高いお金に変える、その上で最も重要なことは「このレコードは貴重なものだ」と分かる相手に売ること。例えば、リサイクルショップにはその価値は分からないのは想像できるのではないでしょうか。何故ならば、ただ単にレコードの専門家ではないからです。それだけでなく、中古レコード店によってもジャズが専門でなかったり、詳しくなかったりする店も実はあります。
それではセロニアス・モンクのレコードは何処に売るのが正解なのでしょうか?
それは中古レコード買取専門店であるエコストアレコードにお売りいただくこと。当店ならジャズに詳しい査定スタッフがいるだけでなく、貴重なレコードの買取実績も豊富。ご利用いただければあなたも絶対にご満足いただけるはず。レコードの売却はレコードの専門家に任せるのが一番です。
ジャズに詳しい方もそうでない方も、レコードの買取をご検討であれば当店までお気軽にご相談ください。たっぷりのジャズ愛と共に1点ずつ丁寧に査定いたします。セロニアス・モンクのレコードの買取はエコストアレコードにお任せください。
筆者: 福田俊一(ふくだ・しゅんいち)
FTF株式会社 制作部/販売部兼務。買取部門のコラムやnoteのほか、販売部門の特集コラムを執筆。大学卒業後にレコード収集に興味を持ち、約15年かけてジャズレーベル、ブルーノートの(ほぼ)すべてのLPをオリジナルで揃えた。
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