ジャズの中古レコードを買取しようかお考えのあなた。ドイツのレーベル、ECM(イーシーエム)を知っていますか?ジャズ生誕の地、アメリカから遠く離れたヨーロッパの地で1969年に産声をあげました。70年代に世界中で巻き起こったフュージョン人気を象徴する一枚、『リターン・トゥ・フォーエヴァー』など名盤と高く評価される作品を多数発表しました。
今なおファンも多いECMとはどのようなレーベルなのか、エコストアレコードが解説しましょう。
文:福田俊一(Ecostore Records)
ECMはどんなレーベル?
ECMは、ドイツ人のレコードプロデューサーでありベーシストでもあったマンフレート・アイヒャー(Manfred Eicher)によって1969年に設立されました。1943年生まれのアイヒャーは、幼い頃を過ごしたミュンヘンではクラシック音楽に親しんでいたそう。そんな彼を揺さぶったのは14歳の時。ジャズに魅了され、ダブルベースの演奏に興味を持つようになりました。その後、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団で働きながらはるばるアメリカから来たミュージシャンたちと交流しともに演奏を重ねました。
アイヒャーはかつて、インタビューでこんなコメントを残しています。
「ミュンヘンのジャズが大好きなオーナーがいるレコード店へ行くと、『これで録音してみろ』と金を渡されました。思ってもみないことでしたが、音楽業界や金銭面に関する知識が私にはまったくありませんでした。クラシック音楽のレコードレーベル、ドイツ・グラモフォンでアシスタントとして働いていましたが、以前ニューヨークで知り合ったチック・コリアやポール・ブレイたちに声を掛けるようになったんです」出典:サイトgeoffandrew.com掲載記事「Happy 50th birthday, ECM!」より引用、日本語文は筆者訳
2009年のニューヨーク・タイムズ紙では、「その頃 4,000ドルもの価値があった16,000ドイツマルクを借金してECMを創設したんです」とアイヒャーは語りました。そうしてドイツ一の名門レーベルの歴史が生まれました。
ECMのサウンドの特徴とは?
ECMという謎めいたネーミングは「Edition of Contemporary Music」の略称であり、同レーベルは「The Most Beautiful Sound Next to Silence(静寂の次に美しいサウンド)」という概念を基に音楽制作をしました。レコードが奏でる音はインテリジェンスに満ちていて、ガラスのようにデリケート。アメリカのジャズとはまた異なるテイストを持っています。
ECMの別の魅力はなんといってもそのジャケットデザインの良さ。アートワークで展開されるクリエイティブな世界はどの作品をとってもまさに芸術。まるで額縁に入った絵画かのように、見るものに「美しさ」を誇示します。
音楽面、ジャケットの芸術面、どちらにおいてもジャズ史においては唯一無二の存在。それまでの伝統を重んじる他のレーベルとは違う独特のアプローチで、今も昔も多くのジャズファンの心を掴んで離しません。
■ECMに作品を残した代表的アーティスト
キース・ジャレット(Keith Jarrett)
チック・コリア(Chick Corea)
ポール・ブレイ(Paul Bley)
ゲイリー・バートン(Gary Burton)
パット・メセニー(Pat Metheny)
ジャック・ディジョネット(Jack DeJohnette)
マル・ウォルドロン(Mal Waldron)
ジャズ好きなら知っておきたいECMの名盤たち
マル・ウォルドロン / フリー・アット・ラスト Mal Waldron Free At Last(ECM 1001, 1970年発表)
ECM記念すべき初めての作品はアメリカ人ベテランピアニスト、
マル・ウォルドロンによる『フリー・アット・ラスト』。創造的な作品を多く残した同レーベルにとって記念碑ともいえる一枚になりました。
アルヴォ・ペルト / Arvo Pärt Tabula Rasa(ECM 1275, 1984年発表)
1984年にはNew Seriesと題され、現代音楽・クラシック音楽にスポットライトを当てた一連のシリーズがスタート。エストニアの作曲家、アルヴォ・ペルトのアルバムもその一枚。
ウォルフガング・ダウナー / アウトプット Wolfgang Dauner Output(ECM 1006 ST)
1970年発表。既存の音楽のどれにも例えようができない、実験的かつ大きなインパクトを残す迫力満点のサウンドがとてもユニークな作品。人気がある反面、いまだにCD化がされていないアルバムであるためにレコード買取では貴重な存在になっています。
チック・コリア / リターン・トゥ・フォーエヴァー Chick Corea Return To Forever(ECM 1022 ST)
鍵盤奏者、チック・コリアによる1972発表作品。68年にあのマイルス・デイビスのバンドに加入、大名作『ビッチェズ・ブリュー』など、「電気マイルス」と呼ばれる時代の初期作品で活躍しました。本作はそれまでのコリアが演じた音楽とは違うサウンドを披露し大きな注目を集め、一躍ECMのみならず彼自身を代表する人気タイトルとなりました。
海面ぎりぎりを飛ぶ鳥を捉えた美しいジャケット写真が印象的な作品。当時買ってまだ持っているという方も多いのでは?
中古レコードを賢く売るコツ5つ
レコードの買取において重要なポイントが5つあります。例えば、ご自宅に処分しようとするレコードがあったとき、それを古本をメインに買取している業者を選ぶのか、もしくは中古レコード店を選ぶのかでは間違いなく買取金額には差がでるでしょう。
買取を申し込む際にはぜひ知っておいてほしいことなので、予め以下の点を確認しておくのがおススメです。
・どんな買取業者よりも、レコードのプロフェッショナルであるレコード買取専門店の方がもちろん知識豊富
・希少盤レコード(高額盤)をよく把握しているレコード買取専門店を選ぶのが◎
・業者がなぜ高価買取できるか理由をサイトで見て知るべし
・累計買取枚数や利用者の声、買取実績などをサイトで見て調べてみる
・買取方法やサービスが充実している「お客様思い」の店に任せる
エコストアレコードをおススメしたい理由
これまで当店は多くのお客様からご利用いただいています。エコストアレコードは中古レコード買取専門店という種類の店であり、文字通りレコードの買取に特化した業者。レコードや音楽に精通したスタッフが多数在籍しており、街のリサイクルショップや古本買取業者とはまったく異なり、初心者や詳しくない方でも安心して売却できます。専門家でもあるスタッフは知識豊富なため、世に数枚しか製造されなかったような大変珍しい希少盤であっても熟知しているほど。そのため、お持ちのレコードがお客様はただの不要なものとしか考えていなくても、もしレア盤があった場合にはもちろん高価買取します。
エコストアレコードが他の業者よりも高価買取ができる理由、それはスタッフの知見だけでなく、当店独自の買取データや販路にヒミツがあります。累計買取枚数も1,500万枚を突破し、過去30年近くレコード買取業に携わっている経験により他店が真似できないノウハウを構築。それに加えて、日本国内にとどまらず世界のありとあらゆる国々へレコードを販売できるオリジナルの販路を確立しているのが強みです。そのデータをもとに、例えば国内では不人気のレコードであってもアメリカに需要があれば同地で販売できるため、他店が安価で買取するものでもエコストアレコードであればより高く買取できる場合がある優れたシステムが備わっています。
当店では3つの買取方法を展開中。ご自宅にいながら梱包して発送するだけでかんたんに売れる「宅配買取」。店頭で混雑しないよう事前予約が必要なものの、いつでも気軽に渋谷の事務所に来店して売れる「持ち込み買取」。また、持ち運びできない膨大な量のレコードでも当店スタッフがご自宅へ訪問してらくらく売れる「出張買取」。どなたであっても当店の買取方法なら余計な負担なく、ラクしてお売りいただけます。
エコストアレコードはこういったお客様に最適な買取サービスを提供しています。
「美」を体現するジャズレーベル。ECMのレコード買取はエコストアへ
ドイツのジャズレーベル、ECMを解説しましたがいかがでしたか?聴かれずにご自宅で眠っているECMのレコードを思い出した方もいるのではないでしょうか。
ECMを立ち上げたマンフレート・アイヒャーはドイツ出身ですが、思えば有名レーベル、ブルーノート(Blue Note)の創始者アルフレッド・ライオンとフランシス・ウルフもドイツ出身。秀でたジャズの遺伝子を辿ってゆくとどちらもドイツにルーツがあるのは偶然ではないように感じます。
音楽という領域を超越した、美を具現化したサウンドがECMにはあります。
それゆえに中古レコード市場でもECMの作品は未だ需要が高く、買取でも高い人気を誇っています。不要になったECMのレコードはもう放置せず、必要としている人に楽しんでもらうためぜひ当店にお売りください。ジャズに詳しいスタッフがていねいに査定します。レコードの買取、どこに売ろうか迷ったらエコストアレコードにお任せくださいませ。
筆者: 福田俊一(ふくだ・しゅんいち)
FTF株式会社 制作部/販売部兼務。買取部門のコラムやnoteのほか、販売部門の特集コラムを執筆。大学卒業後にレコード収集に興味を持ち、約15年かけてジャズレーベル、ブルーノートの(ほぼ)すべてのLPをオリジナルで揃えた。
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